平尾充庸

2桁アシストを連発する横浜の河村

今節、いや前節からリーグを騒然とさせているダブル・ダブルマシーン、横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝を分析していこう。14ASTを記録した群馬クレインサンダーズとの第1戦のスタッツはこちら。

プレータイム(MP)33
得点(PTS)9
3ポイント成功数(3FGM)1
3ポイント成功率(3FG%)25%
フィールドゴール成功数(FGM)1
フィールドゴール成功率(FG%)20%
フリースロー成功数(FTM)6
フリースロー成功率(FT%)60
オフェンスリバウンド(OR)1
リバウンド数(TR)5
アシスト(AST)14
スティール(STL)1
ブロック(BLK)0
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)4.6

8アシストを記録した第3クォーターを見ていく。1本目はBLOB(ベースラインアウトオブバウンズ)から、須藤昂矢のカットインを演出。2本目はセカンドチャンスから、群馬が速攻にシフトした隙を見計らって森川のオープン3PTを作り出し、3本目はサイドのピック&ロールからパトリック・アウダのマークマンであるマイケル・パーカーが河村へ一瞬踏み出した瞬間に、パーカーの顔の前を通すパスでアウダのダンクを演出した。直後のオフェンスでも、ドラッグアクション(トランジションの中からビッグマンがボールマンを追いかけるようにピック&ロール)からDFを引きつけた瞬間に、同じような軌道のフックパスをアウダに出した。

アウダとのホットラインもさることながら、人間が最も反応しづらいと言われている、死角から目線を横切るパスを、いとも容易く出した点も特筆すべきだろう。

4月6日のアルバルク東京戦をきっかけに何かが覚醒し、1試合2桁のアシストを量産している河村。3月末の時点でここまでの急成長を予想していたわけではないが、私が所属しているダブドリ・リーグでは、当時の過小評価を逆手に取りドラフトすることができ、今ではチームのエースとして活躍してくれている。こういった選手がファンタジースポーツをより面白くしてくれる要因の一つであろう。

2試合で50得点!チームを支えるキャプテン平尾

レバンガ北海道との連戦において、茨城ロボッツの平尾充庸は合計50得点7リバウンド7アシストの大活躍。ロスター7人というチームの緊急事態に奮起し、34得点を挙げたGAME2に注目していこう。GAME2のスタッツはこちら。

プレータイム(MP)33
得点(PTS)34
3ポイント成功数(3FGM)6
3ポイント成功率(3FG%)46.2%
フィールドゴール成功数(FGM)8
フィールドゴール成功率(FG%)100%
フリースロー成功数(FTM)8
フリースロー成功率(FT%)61.5%
オフェンスリバウンド(OR)0
リバウンド数(TR)5
アシスト(AST)1
スティール(STL)0
ブロック(BLK)0
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)2.5

では7分14秒の出場で10得点を上げた第3クォーターを分析する。ファーストセットから、2枚のスクリーンを立てて平尾に打たせようとするセットを茨城は選択し、好調な平尾を中心にしようとする戦略が見て取れた。基本的に3ptラインにポジショニングし、福澤晃平や髙橋祐二、ハビエル・ゴメス デ リアニョとエリック・ジェイコブセンのピック&ロールからキックアウトを狙う。ウィングからトップへリプレイスしたところを3PTで打ち抜き、コーナーがヘルプに入ったところをキックアウトスリー、最後はマークマンである松下裕汰がヘルプに入ったところをキックアウトしウィングから3PTバスケットカウント。フリースローも沈め10得点となった。

普段の3out2in(2人のビッグマンがインサイドに陣取るアライメント)ができないと割り切って、スペーシングを利用したバスケットに変更したことによって最も輝いたプレイヤーであった。シーズン終了までこのバスケットを続けることが予想されるため、平尾、福澤の獲得は有効になるだろう。

帰ってきたリーグ最強PG! 佐賀のガルシア

スタッツ上ではB1とB2を含めた全選手中No.1のレイナルド・ガルシアがついにケガから復帰。前節の復帰戦では3得点と本調子ではなかったものの、西地区3位の強豪・西宮ストークスをホームに迎えたGAME1では、21分49秒の出場で28得点6リバウンド7アシストを記録した。GAME1のスタッツはこちら。

プレータイム(MP)21.8
得点(PTS)28
3ポイント成功数(3FGM)3
3ポイント成功率(3FG%)75%
フィールドゴール成功数(FGM)6
フィールドゴール成功率(FG%)66.7%
フリースロー成功数(FTM)5
フリースロー成功率(FT%)71.4%
オフェンスリバウンド(OR)3
リバウンド数(TR)6
アシスト(AST)7
スティール(STL)1
ブロック(BLK)0
アシストとターンオーバーの比率(A/TOV)7.0

復帰後調子が上がっていなかったガルシアが7分で12得点(フィールドゴール決定率100%)と最高のスタートを切った第1クォーターを見ていこう。オフェンスのイメージが強いが、ティップオフ直後ハードなDFからオフェンスファウルを誘いチームを勢い付ける。西宮が2−3ゾーンとマンツーマンとアライメントを変えながら行ってくるDFを見て開始から3分はプレイメークに徹し、自らは良い意味で様子を見ていた。しかし、トランジションと見るや、ディフェンスリバウンドからコースト・トゥ・コースト。クロック5秒でスコア。マンツーマンに固定した西宮ディフェンスに対して、手を交差するようなサインを出すと、ホーンズからハンドオフ+ピック&ロール。マークマンの今野翔太が当然のようにドライブ警戒のアンダーを選択すると、ドライブをキャンセルし悠々と3PTをスコア。続けて同じセットを選択すると、今野のアンダーに対して、ファイパプ月瑠がロールをしながらディフェンスをスクリーンすると、またしても悠々と3PTを沈め、西宮のタイムアウトを引き出した。その後はセットのエントリー変更はあるものの、ガルシアとパプ月瑠のピック&ロールから得点を量産していった。

連載当初、「ドラフトすべきポイントガードベスト5!」の記事においてディージェイ・ニュービル(大阪エヴェッサ)を抑えて第1位として紹介する予定であったガルシア。負傷の報を受け、急ぎ記事を差し替えた経緯があるが、今節からその心配は(恐らく)ない。『B.LEAGUE#LIVE2021』プレイヤーは臆することなく、ガルシア争奪戦に参加することをおすすめする。