デュラントとウェストブルック、注目の初対決が近付く
昨シーズンまでサンダーの象徴としてチームに君臨したケビン・デュラント。その彼のウォリアーズ移籍はこの夏を席巻する話題となった。新たなシーズンが開幕し、ウォリアーズの一員としてまずまずのスタートを切ったデュラントだが、次に待つのは古巣サンダーとの対戦となる。
11月4日に行われる古巣との対戦について、デュラントは『USA Today』にこう語っている。
「もちろん感傷的な試合になる。しばらく顔を合わせていなかった皆と会うわけだからね。でも、自分にはやらないといけない仕事がある。コート上で自分のプレーをしないといけない。もし『これは単なる1試合。何の意味もない』なんて言ったら、それは嘘になる」
デュラントにとっては悩みに悩んだ末の決断。選手として勝ち取ったフリーエージェントの権利を行使するにあたり、新天地で挑戦する道を選んだ。何もサンダーが嫌で退団したわけではないが、見捨てられた形になったサンダーには「怒り」や「失望」の感情が渦巻いている。デュラント喪失の感情は、そう簡単に整理できるものではない。いや、ようやく平静さを取り戻しつつあったところに、デュラントとの対戦がやって来る、と言うべきだろうか。
対立を煽るメディアには「騒ぎ立てて喜んでいるだけ」と非難
サンダーの2大エースであった盟友ラッセル・ウェストブルックへの思いを、デュラントは『San Jose Mercury News』にこう語る。
「僕はラスのことが大好きだ。周りがどう言おうと気にならない。僕たちの関係において、今は辛い時期だ。それでも僕はラスのことが大好きなんだ。彼の家族も大好きだ。僕の気持ちは、皆も知ってくれている。道徳上、彼らに対して間違った行動は取っていないつもりだ。それに彼を批判したことなんて一度もない」
デュラントもウェストブルックも、袂を別ってからメディアの前で2人の関係性について積極的に話をしているわけではない。デュラントは、ウォリアーズ移籍を決断後、ウェストブルックにメールで連絡を入れたことを明かしているが、その内容を明かすつもりはないと言う。
以前のように兄弟同然の関係ではなくなったと伝えるメディアもあるが、デュラントは「すべて嘘」と否定する。
「僕がサンダーやラッセルを批判しているなんていう話題は、全部でたらめ。そんな一部のメディアが僕とサンダー、僕とラッセルを引き離そうとしているんだ。サンダーでプレーしていた時だって同じことをしていたけど、今はさらにひどくなっている。ラッセルだって、僕を批判していないはずだ。メディアが騒ぎ立てて喜んでいるだけ。木曜の対戦を前に、僕たちを喧嘩させたがっている」
質問されれば答えるデュラントとは異なり、ウェストブルックは先日のメディア取材で、「デュラントに関する質問にはもう答えない」とメディアをさえぎっており、かなり神経質になっている様子。
ただ、メディアやファンが2人に注目するのは当然のこと。そこに『ドラマ』があるからだ。木曜の対戦では、試合の前後に2人が言葉やハグをかわすシーンが見られるだろう。『盟友』から『好敵手』へ変わった2人の初対決に、世界中のメディア、ファンの視線が注がれる。