「トップレベルのパフォーマンスを維持することは今シーズンで限界かなと感じた」
バスケ女子日本代表として東京オリンピックで銀メダル獲得を果たしたトヨタ自動車アンテロープスの三好南穂は、3月30日に自身のSNSとクラブを通じて、今シーズン限りでの現役引退を発表した。
現在28歳の三好は桜花学園を卒業後、シャンソン化粧品シャンソンVマジックでWリーグでのキャリアをスタートさせた。22歳の時には、ここ一番での3ポイントシュート要員としてリオ五輪に出場し、予選グループのフランス戦では試合終了間際に3ポイントシュートを沈めて日本の勝利に貢献した。
2017年からは現在所属するトヨタ自動車に移籍し、昨シーズンはチームのリーグ優勝に大きく貢献。また、リオ五輪後は代表候補で止まる悔しさを味わい続けた三好だったが、持ち前の3ポイントシュートに磨きをかけ続け、東京オリンピックでの選手選考を勝ち抜き、日本バスケット界初の快挙となるオリンピックでの銀メダル獲得を果たした。プレーだけでなく、オールスターなどでは身体を張ったパフォーマンスでファンにたくさんの笑顔を届けてきた。
今シーズンは21試合に出場して、平均11.8得点、2.4アシスト、2.1リバウンドを記録。特に3ポイントシュート成功率51.95%(77本中40本成功)とフリースロー成功率91.89%(37本中34本成功)では驚異の数字を残し、リーダーズを獲得している。
三好はクラブを通じて「私、三好南穂は、今シーズンをもって、引退することをご報告させていただきます」と発表し、「引退を決意したのは、自分自身の体、そしてメンタルともにトップレベルのパフォーマンスを維持することは今シーズンで限界かなと感じたからです」と続けている。
「覚悟を持って迎えたシーズンでした。その結果、レギュラーシーズンでは、まさかの今までの私にはない成績を残すことができ、嬉しくもあり驚いています。ただ、私としては1人でも多くの方に、バスケットボール選手としての最後の姿を見てもらえたら嬉しいなと思い、まだ数試合が残っているこのプレーオフ前のタイミングで発表させていただきました。今まで支えてくださったみなさんにコートで恩返しがしたいです」
「またシーズンが終わってからゆっくりとお話しさせていただければと思っております。まずは開催されることに感謝して、目の前にある試合を全力で。このチーム、このメンバーで、ひとつでも多く試合をして、優勝を目指します。皆さんへの感謝の思いと共に、自分の今持っている力を全て出し切って戦います。応援よろしくお願いします!」
レギュラーシーズンを2位で終えたトヨタ自動車は、4月9日のセミファイナルからプレーオフに登場する。まずはプレーオフが無事に開催されることを願うとともに、三好の集大成を目に焼き付けたい。