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新生ウォリアーズは堅守速攻も3ポイントシュートも不発

史上最強の呼び声が高いウォリアーズが、開幕戦でまさかの大敗を喫した。

立ち上がり、新戦力ケビン・デュラントが期待通りの得点力を見せるウォリアーズに対し、スパーズはラマーカス・オルドリッジ、パウ・ガソルがインサイドを攻めて渡り合う。序盤は一進一退の攻防となるも、スパーズはベンチから登場したエマニュエル・ジノビリ、パトリック・ミルズが3ポイントシュートを沈め徐々にペースを握る。ジノビリのパスカットからジョナサン・シモンズが3ポイントシュートを沈め、11点のリードを奪い第1クォーターを終えた。

その後も激しいディフェンスを継続し、クワイ・レナードとオルドリッジがタフショットを高確率で決めたこともあり、スパーズの優勢が続く。ウォリアーズは簡単なターンオーバーを繰り返してリズムに乗れず、本来の堅守速攻の形が出てこない。『スーパーチーム』の苦境を横目に、絶好調のシモンズが3ポイントシュートのブザービーターで第2クォーターを締めくくった。

46-64と大量ビハインドを背負ったウォリアーズは後半に入りようやく反撃開始。ピック&ロールから流れるようなパスワークでノーマークを作り、連続得点で追い上げる。速攻からステファン・カリーのバウンドパスを受けたドレイモンド・グリーンが豪快なダンクを叩き込み10点差にまで詰め寄るも、このプレーで雄叫びを上げたグリーンがテクニカルファールを取られ、せっかく来た流れを自ら止めてしまう。ウォリアーズのチグハグぶりを象徴するシーンだった。

テクニカルファールを取られたグリーン。ウォリアーズは攻守にわたりチグハグで、試合を通じて波に乗れなかった。

スモールラインナップの弱点を突いたスパーズ

その後はまたスパーズの時間帯に。レナードやオルドリッジがオフェンスリバウンドを拾い、ゴール下のシュートやタップで押し込んでリードを広げていく。スモールラインナップの弱点でもあるインサイドを支配し、球際の強さを見せセカンドチャンスポイントを重ねた。

逆にウォリアーズは軽率なターンオーバーを連発し、チームとして噛み合わない。当たり前の話しだが、いくら得点をしても相手に決められてしまえば点差は詰まらない。第3クォーター終了時点で77点を奪うも、スパーズに97点を奪われていた。

安定感抜群なスパーズは、リーグ屈指のシューターが揃い爆発力のあるウォリアーズに対し逆転のきっかけを作らせないまま試合を進め、129-100で勝利を手にした。

レナードがキャリアハイの35得点5リバウンド(3オフェンスリバウンド)5スティールを記録。オルドリッジが26得点14リバウンド(8オフェンスリバウンド)、そしてシモンズが20得点をマークしている。

ウォリアーズでは、デュラントが27得点10リバウンド、カリーが26得点4アシスト、グリーンが18得点12リバウンド(5オフェンスリバウンド)6アシスト5スティールと、このスタッツだけを見れば悪くなかった。しかし、顕著な差が出たのはベンチポイントで、ウォリアーズの16点に対しスパーズは54点と、セカンドユニットがスターターに劣らぬプレーを見せた。またオフェンスリバウンドはウォリアーズの8に対しスパーズは21とインサイドを圧倒したことを示している。

ウォリアーズは生命線である3ポイントシュートの成功率が21.2%と低く、追い上げのきっかけとなるどころか敗因となってしまった。

開幕戦からいきなり訪れた『西の頂上決戦』は安定感抜群のスパーズに軍配が上がった。初戦こそ『スーパーチーム』のポテンシャルを発揮できなかったが、今後もウォリアーズに注目が集まることは間違いない。スパーズはキングス、ウォリアーズはペリカンズとそれぞれアウェーで第2戦を迎える。

オルドリッジはインサイドを支配し、オフェンスリバウンド8を記録。外のシュートも高確率で沈め勝利の立役者となった。