赤穂ひまわり

2点シュートの試投数、精度が課題に

バスケットボール女子日本代表はワールドカップ予選を1勝1敗で終え、4大会連続14回目のワールドカップ本選出場が決定した。

ボスニア・ヘルツェゴビナに82-87の逆転負けを喫した後とあって、赤穂ひまわりは「2試合とも勝ってワールドカップ行きを決めたかったので、最後にこうやって負けて終わってしまったのがすごく悔しいです」と、手放しで本選出場を喜べなかった。

若手で臨んだ昨年秋のアジアカップで赤穂はチームの中心を担い、5連覇を成し遂げるとともに大会MVPに選出された。今回のワールドカップ予選では平均31.0分(チーム2位)の出場で14.5得点(同1位)、6.0リバウンド(同1位)を記録と、さらにその存在感を高め、当然のように大阪会場の『大会ベスト5』にも選出された。進化の止まらない赤穂は無我の境地でプレーできていることがパフォーマンスアップに繋がっていると言う。

「アジアカップの時よりもすごく楽な気持ちで試合に臨めている感覚はありました。試合を楽しむじゃないですけど、いらないことを考えずに、本当に試合だけを考えてできていたと思います」

チームのリーディングスコアラーとなった理由の一つに3ポイントシュートの充実が挙げられる。赤穂は2試合合計で7本の3ポイントシュートを放ち、そのうち6本を成功させた。85.7%と驚異的な成功率を残し、赤穂も「確かに外のシュートが入ったのは良かったと思う」と語ったが、自身の役割がシューターではないことを強調し、2点シュートの試投数に少なさやその精度を改題に挙げた。

「私はシューターじゃないのでそこを入れられたのは良かったけど、もっとアタックしなきゃいけなかったなと思います。オリンピックですごくブロックされて、決め切ることが課題になっていました。ブロックをかわす練習もしてきた中でブロックをかわすことに意識が行きすぎ、高さを気にして打ってしまっていたので、そこはまだまだ課題です」

赤穂ひまわり

「その前からの結果がこの負けに繋がっている」

ボスニア戦の日本は43本中20本の3ポイントシュートを成功(46.5%)させた。トランジションと3ポイントシュートを武器としている日本にとって、これは理想的な数字と言えるが、その一方で2点シュートは30本中8本の成功(26.7%)と最後まで精度が上がらなかった。これだけの高確率であれば、3ポイントシュート一辺倒というネガティブなイメージにはならない。それでも、確実な2点が欲しい場面は必ずあり、ペイントエリアでの得点が少ないからこそ、赤穂もアタックの少なさを課題に挙げたのだ。さらに言えば、リングへのアタックが高確率で決まればそれだけ外の警戒も薄れるため、ペイントアタックが日本の武器を最大限に生かすポイントともなる。

実際に、ボスニア戦はエースのジョンクェル・ジョーンズに対しダブルチームを徹底するも、そこからパスアウトをされて高確率で3ポイントシュートを射抜かれたことが敗因となった。外を生かすという観点からも、インサイドアタックのアプローチは必ず必要で、赤穂はその重要な役割を担っている。

カナダ戦は最大20点のビハインドを覆す逆転勝利を収めたが、ボスニア戦は一時2桁のリードを奪った上での逆転負けとなり、リードしている状況でのクロージングに課題が見られた。2点ビハインドの残り31秒の場面で馬瓜ステファニーが軽率なターンオーバーを犯してしまい、その直後のポゼッションで3ポイントシュートを決められたことが勝負を分けたが、赤穂はステファニーの問題ではないと強く訴えた。「彼女はすごく気にしていたんですけど、そこだけじゃないし、ステファニーの問題じゃないってみんなが言っていました。その前からの結果がこの負けに繋がっていると思います」

ステファニーは赤穂とともに『オールスター5』を受賞したように、高いパフォーマンスを見せていた。一体感を武器とする日本、そして赤穂にとっても、そのターンオーバーだけを切り取って、ステファニーがやり玉に挙げられることを避けたかったのだろう。

赤穂は自身がどんなに好パフォーマンスを見せたとしても、良いところよりも悪いところにフォーカスし、成長の糧にしてきた。その姿勢は今後も変わらないだけに、ワールドカップ本選ではさらなる進化を遂げた姿を見せてもらいたい。