タイラー・ヒーロー

成功率は落ちても、変わらない3ポイントシュート試投数

ヒートのダンカン・ロビンソンはルカ・ドンチッチとデイミアン・リラードが保持していた3ポイントシュート300本成功の最速記録(117試合)を昨シーズンに大きく塗り替えた(95試合)ように、NBAトップクラスのシューターであることを証明した。

だが、今シーズンのロビンソンは開幕からシュートタッチに苦しみ、過去2シーズンは40%を超えていた3ポイントシュート成功率が35.8%に落ち込んでいる。ロビンソン自身も「シュートはいつだって決まると思っている。ただ、今シーズンは開幕から自分のプレーができていなかった。そこに関しては嘘を言うつもりはない」と不調を認めている。

それでも彼はシューターとしての自信を失わずにシュートを打ち続けており、1試合平均の3ポイントシュート試投数は8.6本と過去2シーズンとほぼ変わっていない。ヘッドコーチのエリック・スポールストラは彼の打ち続ける姿勢を評価し、成長のステップだと信じている。

「3年前に初めて会った時は、新人で2ウェイ契約の彼が最初の3本を外してさらにもう1本撃つなんてあり得ないと思っていた。だが2年前になると、彼が3本続けて外しても、アシスタントコーチや他のスタッフにもっと打つよう促されていただろう。選手は自分に与えられた役割と向き合ってプレーし続けなければならないが、短いキャリアの中で彼が一番適応したのはそういう部分だと思っている」

タイラー・ヒーローもロビンソンのスランプを気にしていない。むしろ、どんな時でも変わらない姿勢で練習に取り組む姿勢を尊敬しているという。「みんなは彼が良くないパフォーマンスを見せるたびにパニックになるよね。彼はすべてのシュートを決めるわけではないんだ。26点だろうと5点だろうと、彼は毎日同じ姿勢で練習場にやってくる。そして、同じように練習に取り組み、役割を果たそうとしている。僕は彼のそんなところを尊敬しているんだ」

不甲斐ないパフォーマンスが続けば、練習へのモチベーションが上がらない日もあるはずだ。それでも、ロビンソンはどんな状況でも練習を欠かさず、自分の仕事を全うするための準備を欠かさない。そして、その成果が実を結びつつあるのか、ホークス戦で10本中5本、レイカーズ戦で11本中6本の3ポイントシュート成功と、2試合連続で大きな結果を残した。

ケガ人続出ながらもチーム全体でステップアップしたヒートは、現在東カンファレンス首位に立っている。シュートスランプに陥りながらもチーム最多の44試合に出場していることが、ロビンソンの存在の大きさを証明している。彼が復調し、ケガ人が戻れば、上位でのプレーオフ進出は固い。