佐土原遼

序盤は茨城のオフェンスが目立つも、広島がディフェンスから立て直す

広島ドラゴンフライズが敵地に乗り込んで茨城ロボッツと対戦。昨日の第1戦は同点で迎えたラスト10秒から、ニック・メイヨがマーク・トラソリーニとの1対1に押し勝って決勝シュートをねじ込み接戦を制したが、第2戦は後半から一歩的な展開となった。

茨城はポイントガードで先発した平尾充庸がボールをシェアし、エリック・ジェイコブセンやマーク・トラソリーニが攻撃の起点となる相手に読ませない攻めを展開。平尾から多嶋朝飛に交代するとピック&ロール主体へと形を変えて相手ディフェンスを翻弄した。多嶋はキックアウトで3ポイントシュートのチャンスを作り、チームメートもこれをよく決めて第1クォーターを23-16とし、第2クォーターもコートに戻った平尾の得点、相手のターンオーバーから中村功平のワンマン速攻が決まって10点リード。こうして茨城が先手を取った。

広島はメイヨが個人技で得点を重ねるも単発に終わっていたが、それでも第2クォーターに入ってゾーンディフェンスでペイントエリアを固めることで、第1クォーターに11得点を挙げたジェイコブセン、9得点のトラソリーニをそれぞれ2得点、1得点と抑える。さらにオフィシャルタイムアウト後に佐土原遼を投入するとディフェンスの強度が上がり、茨城の攻めの起点にプレッシャーがかかるように。ここで辻直人の3ポイントシュート、メイヨのダンクで4点差まで詰め寄る。

リズムの乱れた茨城がパスミスにイージーシュートを外したりと拙攻を続ける一方、広島は寺嶋良とメイヨの3ポイントシュートが決まり、36-35と一気にひっくり返して前半を終えた。

後半の立ち上がりも茨城は広島のディフェンスを崩せず、辻にフリースロー3本を、またジャクソンにオフェンスリバウンドから連続でねじ込まれる。前半はジャクソンにオフェンスリバウンドを奪われても瞬時に囲い込んでシュートを打たせなかったが、そのディフェンスも徹底できない。茨城が立て直せないうちに辻の3ポイントシュート連続成功があり、広島がリードを2桁へと広げた。

辻直人

攻守の噛み合った広島、28-9のビッグクォーターを作る

茨城は前半の良いリズムが消え、オフェンスでボールは回るものの広島のプレスから逃げるばかりで、ミスにはならなくても受け手のイメージとは逆にパスが来て次のプレーにスムーズに移ることができずに攻めが停滞。試合序盤はシンプルに攻めて、ズレが生まれれば迷わずシュートを放って決めていたが、後半はパスの本数こそ多くても広島ディフェンスの外を回すばかりで有効な攻め手に繋がらない。逆に広島はシンプルな堅守速攻の形を次々と作り、ジャクソンのバスケット・カウントに途中出場の朝山正悟のシュートで点差を広げていく。結局、この第3クォーターは広島が28-9と圧倒した。

第4クォーター開始早々にトラソリーニが個人4つ目のファウルでベンチに下がらざるを得なくなり、茨城の勝機は潰えてしまった。その後、広島は辻を中心にゲームの流れをコントロール。危なげなく終盤を締めて、90-60での勝利を収めた。

広島はメイヨが22得点、ジャクソンが19得点、辻とケネディが12得点と、取るべき選手がきっちり得点を奪った。劣勢をひっくり返した第2クォーターもシュートタッチが必ずしも良くはない中で、ディフェンスから流れを引き寄せ、後半のビッグクォーターへと繋いだ。シーズン途中に加入した佐土原がプレータイムは7分と短くても試合展開を変えるカギとなり、また終盤には特別指定選手の中村拓人が攻守に良いプレーを見せるなど、勝ったこと以外にも収穫の多い試合となった。

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