高さを強調した守備が機能し、失点はわずかに50
ウインターカップ男子準々決勝、金沢(石川)vs仙台大学附属明成(宮城)の一戦は、山﨑一渉と菅野ブルースのダブルエースが本領を発揮し、堅いディフェンスも機能した明成が快勝を収めた。
序盤から山﨑と菅野がエンジン全開で金沢に襲い掛かる。山﨑は隙あらばシュートを放ち、4本中3本の3ポイントシュートを沈めて13得点を挙げる。菅野はボールプッシュから力強いリングへのアタックを連発し、こちらも10得点の荒稼ぎを見せた。ディフェンスでも高さの優位性を生かしてペイントエリアでの失点を最小限に抑えた。こうして攻守が噛み合った明成が第1クォーターを27-9と圧倒した。
その後、ゾーンを併用する金沢のチェンジングディフェンスに苦戦し、ターンオーバーから速攻を連続で許してしまう。前田大河の強気なリムアタックや白石直史の正確なシュートを止められずに点差を詰められたが、菅野が要所でドライブから得点し、2桁のリードを保ったまま前半を終えた。
後半に入ると、190cm台を多数揃える高さを生かし、金沢のアタックを次々とブロックするなど、約5分間を無失点に抑える鉄壁の守備を見せた。その結果、オフェンスのリズムも良くなった明成は菅野のバスケット・カウント、山﨑の3ポイントシュートなどで10-0と走り、点差を20の大台に乗せた。
だが、試合後に佐藤久夫コーチが「迷ってパスのタイミングが狂ったり、人を上手に使いこなせなかったり、守り切れなかったりした」と振り返ったように、最後まであきらめない金沢の気迫に圧されたことで、その後はリードを大きく広げることができなかった。それでも、最後までインテンシティが落ちなかったディフェンスで最終クォーターの失点を11に抑えた明成が、最終スコア88-50で勝利した。
ボールプッシュから強気なアタックを連発した菅野は、山﨑(36得点)に次ぐ21得点を挙げたものの「まだまだ弱気になっている部分があって、仲間を使うところと自分がいくところの区別がしっかりできていない」と、自身のパフォーマンスに満足がいっていないようだった。
一方、チームハイの23得点を挙げた金沢の前田は、敗れはしたものの充実した表情でコートを去った。「チームも自分も明成さんに立ち向かうことができて、最後まで成長できたと思う。最後は点差がついてしまいましたが、金沢のバスケを貫き通せたと思います」
ベスト4に駒を進めた明成は明日、決勝進出を懸けて福岡大学付属大濠と対戦する。