ギャビン・エドワーズ

力強いアタックから得点を重ねるも、リバウンドは反省「意識の問題」

バスケットボール男子代表は、7月9日に行われた国際強化試合のベルギー戦で70-73と惜敗した。第1クォーターに9-25と出だしで劣勢となった後、渡邊雄太を筆頭に巻き返したが、ここ一番での決定力でベルギーが上回った。

この試合、ギャビン・エドワーズは渡邊と並ぶチームハイの16得点をマーク。持ち味の力強いアタックからファウルを誘いフリースローを10本獲得するなど、ゴール下で手堅く得点を重ねている。

「全体的には良かったですが、第1クォーターでビハインドを背負ったのが最終的に響きました。ただ、途中からの自分たちのファイトする姿勢は気に入っています。最初からそういうプレーができていれば、勝つことができたはずです」

このように試合を振り返ったエドワーズだが、インサイド陣の中心としてリバウンド数で30-45、中でもオフェンスリバウンドで1-15とゴール下の肉弾戦で大きく負けた部分については反省しかない。

東京オリンピックで激突するスペイン、アルゼンチン、スロベニアはすべて自分たちよりサイズ、フィジカルに優れたチームで、ベルギーよりさらに強力であることは明らか。オリンピックで勝利を挙げるためには、リバウンドに強い危機感を持って立て直すことが不可欠だ。

エドワーズも、その必要性は痛感している。「オフェンスリバウンドは運が良ければ取れるとかではなく、集中して力を注がないといけない。オリンピックで対戦するのはより大きくて強い相手ばかりなので、チームとして改善しなければいけない点です」

そして、何としても取りに行くという執着心の大切さを強調する。

「取りに行くというマインドがまず大事です。自分が取れそうにないと判断して行かないのはダメで、自分が取れなくてもティップすればチームメートが取るチャンスに繋がります。ラマスコーチからも毎日、口酸っぱくオフェンスリバウンドのポジションに入ることは言われています。それができている時は取れるので、意識の問題だと思っています」

ギャビン・エドワーズ

「自分の強みを出し、チームメートと上手くプレーする」

オフェンス面に目を向けると、海外組が合流する前のエドワーズはファーストオプションとして自ら積極的にアタックしていた。しかし、今回の渡邊、そして来週から合流予定の八村塁と馬場雄大が加わると、彼らを軸に展開することになる。そうなると必然的にエドワーズはプレースタイルの調整が必要となってくる。2019年ワールドカップを経験していない彼が、海外組といかに融合できるかはチームとしての大きな課題だ。

ただ、エドワーズが少ないボールタッチでも存在感を発揮できることは千葉ジェッツで証明済みだ。何よりもチームプレーを機能させるためには、自分が率先してアジャストするべきと考える高い協調性、献身性を持つエドワーズだけに、このような心配は杞憂に終わるだろう。

「雄太のようなチームにとって大きい存在が加入する時、アジャストは必要だと思っています。それは塁、雄大に関しても同じです。彼らとプレーするのが初めてなので、そこは自分が、彼らとのプレーを早く学ばないといけない。ただ、その中で自分の強みは引き続き前面に出し、その上でチームメートと上手くプレーすること。そこを両方させることが大事です」

沖縄での強化試合は、明日のフィンランド戦が最後となる。サイズのある相手だが、NCAAの大学生も多い若手主体のチームであり、ベルギー戦のようにリバウンドで劣勢になることは許されない。そのためには、エドワーズの攻守におけるペイントエリアでの奮闘が欠かせない。