アンソニー・デイビス

34得点のデイビス「あらゆる準備をした上でこの試合に臨んだ」

サンズとのプレーオフファーストラウンド初戦を落としたレイカーズは、第2戦ではほとんどの時間帯でリードを保ち、109-102で勝利を挙げた。

それでも『楽勝』には程遠い内容だった。アンソニー・デイビスのシュートタッチは悪いままで、レブロン・ジェームズの足首は完治したはずだがアタックに行く積極性は影を潜めたまま。リードを保っていたのはディフェンスが機能していたからで、レブロン、デイビス、アンドレ・ドラモンドが並ぶサイズの優位を生かし、スピードで多少揺さぶられても互いの選手が良い距離感を保つことでシュートにはきっちりとプレッシャーを掛け、サンズを勢いに乗らせなかった。

それでも、オフェンスが機能しないためにリードを広げられず、第4クォーターに入ってジェイ・クラウダーの4点プレー、キャメロン・ペインのタフな3ポイントシュートを立て続けに決められ、残り7分で86-86と追い付かれる。

ここからしばらくは混戦となったが、クラッチタイムにデイビスとレブロンが決定的な仕事をする。デイビスがペイント内での冷静なディフェンスで残り4分からの3分間、サンズの得点をシャットアウト。この間にレブロンが自ら仕掛けてターンアラウンドのジャンプシュートをねじ込み、デイビスも3ポイントシュートとフリースローで一気に突き放す。

サンズは残り7分に追い付いた後、肩の故障を抱えながらプレーしていたクリス・ポールをベンチに下げており、試合の流れが一気にレイカーズに傾くのを止めることができなかった。

デイビスは終盤に集中力を高めて、フィールドゴール15本中7本成功まで確率を戻して34得点を記録。ロースコアの展開でハードに戦うことでファウルを誘発し、フリースロー21本のうち18本を決めて得点を繋ぎ、さらにクラッチタイムにも攻守に決定的な仕事をやってのけた。

敗れた初戦では13得点のみと不発。「前の試合は散々だったから、勝つためにはあんなパフォーマンスじゃダメだと感じ、それをプレーで示そうとした。集中を高めて、あらゆる準備をした上でこの試合に臨んだ」とデイビスは語る。これで通算成績を1勝1敗とし、ホームのステイプルズ・センターへと戻る。「サンズからホームコートアドバンテージを奪い取ったので、これからは自分たちの仕事を果たしたい」。彼の言う『自分たちの仕事』ができれば、レイカーズが強いのは間違いない。

レブロンは23得点を奪ったものの、アタックに行く回数は極端に少なく、平均5.7本を得るフリースローは1本しかなかった。それでもディフェンスの動きからケガの影響は感じられず、相手を引き付けてのパスで9アシストを記録してもいる。経験豊富なレブロンは長いプレーオフを見据えて、まだ『慣らし運転』に徹しているのかもしれない。もしそうであれば、レイカーズはまださらに力を秘めていることになる。

サンズではデビン・ブッカーが31得点を記録したものの、最後の10得点は勝機がほぼ潰えた後のもの。その前の時間帯にレイカーズをねじ伏せるパフォーマンスは見られなかった。クリス・ポールのコンディションも懸念される。この2人のキーマンが今の状況を脱することが、このシリーズを勝ち抜くには欠かせない要素となる。