「自分たちのことを一番に考えたら、そういう企業とみなされる」
アメリカでも新型コロナウイルス感染者が急増しているが、ドナルド・トランプ大統領は、4月12日の復活祭(イースター)までに経済が通常の状態に戻れると発言し、物議を醸している。
これに反応したのがマーベリックスのオーナー、マーク・キューバンだ。キューバンは『CNBC』の番組に出演し、「これは安全上の問題だけではなく、ビジネスの問題でもある。どういう対応を取ったかで、その企業の今後数十年のブランドが決まってしまう」と、慎重を期するべきと忠告した。
「誰かが感染してすぐに対応すれば、そういう企業とみなされる。従業員や株主へのケアを優先せず、自分たちのことを一番に考えたら、そういう企業とみなされる」
3月25日の時点で、アメリカ国内には6万5000人を超える感染者が出ている。キューバンは、「急ぐより慎重過ぎるくらいがちょうどいい」と自論を展開。そして、判断を誤れば、若い世代から許されない存在になってしまいかねないとも主張した。
「急ぐ必要なんてない。私は、慎重過ぎる方が良いと思う。自分がハッキリしたことが分からない以上、従業員に仕事を始めるように指示することなんてできない」
「判断を誤れば、若い世代に許されない。従業員のことをしっかり考えるだけではなく、これはビジネス上でも正しい判断。私はそう考えている」
普段から審判の判定に関しても歯に衣着せぬ発言をし、高額な罰金処分を科されることが多いキューバンだが、人情味溢れる人柄は選手、ファンからも評判が良い。先日は、所属選手のルカ・ドンチッチ、ドワイト・パウエルと共に医療施設に50万ドル(約5500万円)もの寄付をした。
キューバンは目先の利益に意識を置くのではなく、長期的な視点に立って従業員、球団スタッフ、選手らを守ろうとしている。