デリック・ローズ

指揮官ケーシー「彼がどう考えるかを待ちたい」

デリック・ローズのキャリアはケガに阻まれる運命なのかもしれない。

キングス戦の第2クォーター途中、ゴール下へと切り込んでターンアラウンドジャンプシュートを放ったローズは、相手選手の足に着地してしまい足首を痛め、プレーを続けることができなかった。足を引きずりながらも自分で歩いてベンチまで戻ったために軽傷かと思われたが、MRI検査の結果は最低でも2週間の戦線離脱となった。

今シーズンは何度かケガがありながら50試合に出場。シーズン序盤はベンチスタートだったが、安定したパフォーマンスを見せて途中から先発へと据えられた。ここまで平均18.1得点、キングス戦の前のサンズ戦ではシーズンハイの31得点を記録して、調子を上げてきた矢先の出来事だった。

ヘッドコーチのドウェイン・ケーシーは落胆を隠さない。ローズは接戦で勝利を呼び込むクラッチプレーだけでなく、再建中のチームを引っ張る精神的支柱でもあったからだ。「チームにとって残念だが、それ以上に彼の心情を察すると残念だ。若い頃から身体を酷使してきたローズが、ようやく問題なくプレーできるようになったところだったからね。検査で大きな問題は認められず、ただの捻挫だったのは不幸中の幸いだ」

しかし、2週間の戦線離脱と発表されたが、このままローズがシーズンを終える可能性もある。しばらく様子を見た後の検査結果次第であり、またその時のローズの気持ちを尊重すると指揮官は言う。「私からプレーするように後押しするつもりはない。彼がどう考えるか、それを待ちたいと思う」

同じポイントガードのブランドン・ナイトは『The Detroit News』に対して「残念だけど、彼は強い男だ。ケガをした後に話したけど、気持ちを強く持っていた。ケガを治して戻って来て、またチームを引っ張ってくれると思う」と語っている。

ピストンズはすでにプレーオフ進出をあきらめており、ローズは来シーズンも契約が残っているため、無理をする必要はない。それでもローズが他の選手に模範となる姿を見せることはチーム再建に大きなプラスとなる。ケガをしてもなおローズがその影響力を発揮できるか。ローズのケガが軽傷で済み、今シーズンまたそのプレーが見られることを願いたい。