「勝ちきれていない重たい部分が出た」
レバンガ北海道は天皇杯の準々決勝でサンロッカーズ渋谷と対戦し、60-76で敗れた。
第1クォーターでSR渋谷の激しいディフェンスからのトランジションに飲み込まれ、9-24と大量ビハインドを背負った。
多嶋朝飛が「チームとして最近、勝ちきれていないという重たい部分が出てしまい、なかなか苦しい出だしになってしまいました」と振り返るように、北海道はレギュラーシーズン4連敗中で、それを天皇杯に引きずってしまった。
「出だしで重い雰囲気になってしまった時に、結局そのままゲームが続いてしまいました。せっかくその状況を打開できそうな時もあったのに、それを継続できない。あと1、2本頑張れば、もう一回ウチの流れになるんだろうなというところで、まだ我慢しきれないのが現状です」
北海道が盛り返した時間帯もなかったわけではないが、反撃は単発に終わり、本当の勢いに変えるには至らなかった。この試合では得点も60点と伸びず、「特に外国籍選手の1on1に頼ってしまっている」と、チームとしての得点の取り方について多嶋は課題を語る。
「もちろん外国籍選手はウチのファーストオプションですし、攻めて決めてもらわないといけない。ただチームで作り出した良い状態での1on1だったら良いですが、全員が苦しくなって『じゃあ任せた』では、やっぱりキツい。他の選手のアテンプトが少なすぎるし、チームとしてシュートに持って行くまでの流れがなさすぎます。流れがブツブツと切れている状態でシュートが入るか入らないかというプレーで勝てるほど甘くはありません。もうちょっとみんなが良い流れで思いっきりシュートを打てるような状況を作っていかなければなりません」
「今はみんなで我慢しながら声を掛け合っていくことが重要」
北海道にも『良い時間帯』は多々あった。それでも「良いゲームをした、この時間帯は良かったというだけで、勝てなければ意味がない」と、多嶋は言い切る。
「自分たちはまだまだ上を目指さないといけないチームです。これからリーグ戦が始まって、東地区のチームと戦うことが多くなってくるので、上を目指すには質を求めていかなければいけないです。天皇杯もリーグ戦も勝てない試合が続いて、チームにフラストレーションが溜まってくる時期です。みんなで我慢しながら声を掛け合うことが重要になります。そういうところは僕も含めて他にもリーダーシップが取れる選手はたくさんいるので、みんなでコミュニケーションを取りながら次のゲームに向かって行きたいです」
多嶋はインタビュー中に何度も「なんとかこの状況を打破しないといけない」と口にしたが、それは昨シーズの22連敗という苦い経験があるからだ。
「僕たちは失うものは何もないので、今のチームの状態を打破して小さなことから一個ずつ積み重ねて、みんなでまた勝ちを積み重ねていきたいです」
天皇杯はこれで終わってしまったが、この試合を通してあらためて「自分たちがどうやって戦っていくかを明確にして、誰が出てもそれを体現できるようにしないといけない」と気づかされたという。
来週水曜にはアルバルク東京とのアウェーゲームを控えている。「タフな試合になると思います。今の流れ引きずるのではなく北海道でもう一度、身体も気持ちの部分でも良い準備をして、良いメンタリティを持って戦いたい」と、意気込みを語った。
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