バランスの良いオフェンスでガードナー依存から脱却
川崎ブレイブサンダースと新潟アルビレックスの第2戦は、第3クォーターに28-8と逆転した新潟がそのまま逃げ切り、Bリーグ2年目にして川崎から初勝利を手にした。
前半は軽快なパス回しから7本中4本の3ポイントシュートを決める川崎のペース。新潟は強度の高いディフェンスに苦しみ、池田雄一と佐藤優樹が3ポイントシュートを沈めしぶとく食らいつくも29-40と2桁のビハインドを背負って前半を終えた。
しかし第3クォーターに入ると、突如として新潟のオフェンス力が爆発する。ダバンテ・ガードナーを起点にした素早いボール回しからノーマークを作り出す。ガードナーというリーグ最強レベルの点取り屋を擁しながら『ガードナー依存』が課題の新潟だが、この試合ではガードナーにボールは預けるが、そこからのパスアウトで日本人選手が積極的にシュートを狙い、10本中7本と高確率で3ポイントシュートが決まる。開始3分での12-0のランで逆転に成功し、このクォーターを28-8と圧倒した。
最終クォーター、川崎がディフェンスのギアを上げたことで新潟のオフェンスは停滞するが、それでもジャレッド・バーグレンを筆頭にタフショットを沈めリードを保ち続けた。またタフショットを誘発されるも佐藤が3本のオフェンスリバウンドを獲得し主導権を渡さない。4点差に迫られた残り2分12秒に3ポイントシュートで突き放すなど、佐藤はビッグプレーを連発した。
残り50秒、ガードナーがダブルチームをかいくぐり、フリーのバーグレンがダンクシュートを決めて68-61。ニック・ファジーカスと辻直人の3ポイントシュートで猛追されながらも72-70と逃げ切った。
「オフェンスリバウンドに絡めてリズムに乗った」
新潟の庄司和広ヘッドコーチは「ダバンテのところに対して人が集まり、小さく守ってくるので、しっかりスペーシングのところ、オープンマンのところを確認しそこで思いきりシュートを打てた」と勝因を語る。
ガードナーは21得点といつもより『控え目な』出来。それでも78点中38点がガードナーによるものでバランスが悪かった初戦とは違い、今日の試合では日本人選手の得点が伸び、出場した8人全員が得点を挙げたことが勝利につながった。
また「私の現役時代からなかなか川崎さんに勝てる機会がなかったのですが、Bリーグで初めて勝てたのはチームにとってもプラスになりました」と昨シーズンから続く連敗を止め、川崎から挙げた初勝利に指揮官は顔をほころばせた。
要所のリバウンドや得点など効果的な働きを見せた佐藤は「どれだけチームに貢献できるかというところで、強い意気込みを持って試合に出て、それが結果につながって良かった。シュート以外の部分でもエネルギーを出せて、オフェンスリバウンドに絡めてそれでリズムに乗っていけた」と満足の様子だった。
「控えの選手の活躍が流れを呼び込む」
一方、逆転負けを喫した北卓也ヘッドコーチは「第3クォーターがすべて」と敗戦を振り返った。「前半にリードしたことで気持ちがふわっと入ってしまった。ディフェンスをやらなければいけない時に自分たちのシュートが入らなくて、オフェンスのことばかり考えてディフェンスがソフトになり相手に流れがいってしまった」
篠山竜青も北コーチと同じ見解を示した。「新潟さんが爆発力あるチームだというのは分かってましたし、そこを警戒しなければいけなかったんですけど、そこでディフェンスが甘くなってしまった。連続で3ポイントシュートを許した時に、そこで焦って3ポイントシュートで対抗してしまった。そこで落ちた時に流れが大きく向こうに傾いてしまったというのが反省点」
北コーチは「控えのメンバーも頑張っていましたけど、今日は新潟さんの控えのメンバーがオフェンスリバウンドもそうですし、佐藤選手がポイントポイントで良い働きをしてました。こういうスケジュールだと控えの選手の活躍が流れを呼び込むのかなと思いました」と控え選手のパフォーマンスで新潟が上だったことも敗因と話した。
新潟はケガ人続出で8人のみの出場の中チームが結束。昨シーズンからの課題であった日本人選手の得点が伸び、川崎越えを果たした。これを継続させケガ人が戻ってくれば、中地区の覇権争いに絡んでいけるはず。そう思わせる会心の勝利だった。
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