コーリー・ゲインズ

再び高まった2点シュートの重要性

バスケットボール女子日本代表は9月にベルリン(ドイツ)で開催される『FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026』に向けて、第2次強化合宿を実施した。

16名が選出されたが、町田瑠唯がコンディション不良のため不参加となり、合宿は15名で行われた。コーリー・ゲインズヘッドコーチは「少し長めのオフを与えました。7月からの合宿に合流することを目指しています」と、町田の不参加の理由を説明した。

代表常連の町田がいないことは選手やチームに何かしらの影響を及ぼすはず。しかし、ゲインズヘッドコーチは合宿が競争であることを選手たちに浸透させてきたからこそ「何も変わらない」と言う。

「私たちは合宿を始める時に『これは選考のための合宿だ』と言っています。保証されているポジションなど一つもないこと、全員がポジションを勝ち取るために合宿で競争しているということを、彼女たちは分かっています。毎回そう言っているので、これはスタンダードです。これが私たちの合宿のやり方です」

そして、このスタンダードがあるからこそ「モチベーションを高める必要はありません」と、選手たちに全幅の信頼を寄せる。「私たちはすでにモチベーションに満ち溢れています。私たちがすべきことは日本のバスケットボールがどのようなものかを世界に示すことです。そのためのモチベーションは必要ありません。それが私たちのスタンダードであり、やることは明確です」

日本の目指すバスケはこれまでと変わらず、テンポを上げて運動量で相手を上回りつつ、高確率に3ポイントシュートを決めていく『ペース&スペース』。ただ、今回の合宿では新しいディフェンスのスキームや、オフェンスのアクションを導入したという。それは指揮官が「以前の私たちは『レイアップと3ポイント』だけでした」と語ったように、選択肢を増やすためだ。そして、NBAでニックスが優勝したことを例に出し、現代バスケでは2点シュートの重要性が再び高まっていることを強調した。

「皆さんもニックスが優勝したのを見たばかりでしょう。彼らは多くの2ポイントシュートを打っていました。バスケットボールは常に進化し、今でも進化し続けています。私が最初にNBAに関わった頃は、それほど多くの3ポイントは打たれていませんでしたが、サンズでコーチングをした時は30本から40本が目安になっていました。時代は巡ってきたのだと思います。ですから、より多くの2ポイントシュートを打てるよう、アクションを導入しました」

3ポイントシュートが入らなかった場合、速攻だけで勝てるほど世界は甘くない。だからこそ、効果的な2点シュートが必要であり、それが良い3ポイントシュートにも繋がっていく。これが体現できれば世界と互角に戦えるはずだ。しかし、世界に対し高さで劣る日本には解決しなければいけないリバウンドの課題は残っている。ゲインズヘッドコーチもそれを認め、よりリバウンドのドリルを増やし、具体的なデータを用いて選手たちにリバウンドへの意識を高めているという。

「我々のスタンダードはディフェンスリバウンドの獲得率で70%を超えることです。もし、あと2、3本多くのリバウンドが取れれば上位チームとの差がどれだけ変わるか、選手たちにデータを見せました。目指すべき具体的な数字を示すことで、それをやろうというマインドセットがしやすくなります」

「リバウンドは私たちにとって間違いなく重要です。単にボックスアウトをするということだけでなく、執着心も関わってきます。私たちがより多くの3ポイントシュートを打つため、また多くの速攻を出すためにもボールを支配しなければなりません。直近の数試合はそれが機能していましたが、これからも拡大していきたいと思っています」

高いモチベーションを持った選手が競争し、新たな戦術も取り入れ始めた。ワールドカップまで2カ月強、今はスタンダードを高める作業を進めている。