
最高到達点341cmの長身オールラウンダー
4月に行われた『FIBA 3x3アジアカップ2026』で男子日本代表は4位という結果に終わった。チームを率いる中祖嘉人ヘッドコーチは、「リバウンドとインサイドのディフェンスに差を感じた大会だった」と統括。実際に表彰台を占めたチームの平均身長が195.5cmだったのに対し、日本は187.5cmとサイズ面で劣っていた。そして世界トップは、これまでスクリーナーを担っていた大型プレーヤーがハンドラーをこなすスタイルが主流になってきている。
日本バスケットボール協会は4月21日から23日まで強化合宿を実施し、国内ランキングでトップ10に入る選手に加えてサイズのある5名を選出。後者のうちの1人が小野恵富だ。
江戸川大2年の小野は194cmの恵まれた体格と最高到達点341cmの驚異的なジャンプ力を武器とし、3ポイントシュートも打てるオールラウンダーとして1年時から同大で活躍。3x3に初めて触れたのは今年の2月に行われた『3x3全日本大学選手権大会(プレ大会)2026』だったが、初出場ながら3位という結果を手にしている。
中祖ヘッドコーチもその体格と身体能力を称賛し、「フィジカルレベルが少しでも高い選手を育てていきたいという方針のもと、可能性を感じて呼んでます」と選出理由を語った。
初の代表選出となった小野もプレ大会で得た楽しさを胸に合宿に挑んだが、そこには大きな壁が立ち塞がった。「若い子たちにトップカテゴリーのレベルを感じてもらいたい」という中祖ヘッドコーチのねらいで行われた、世界ランキングトップに君臨するセルビアのチームとの練習試合で感じたことを小野は次のように振り返る。
「プレ大会では『1対1をやっていれば良いでしょ』という気持ちで臨んで良い結果を得たのですが、上のカテゴリーに来たら自分の力が通用せず、3x3の連携プレーなどちゃんと覚えなきゃいけないと痛感して、今は頭がこんがらがってしまっています」
「世界1位とやってみて、本当にもう手も足も出ませんでした。日本代表の選手たちと練習試合をしている時は多少通用するのですが、身体の大きさの違いや3x3の理解度の差があり、コテンパンにされましたね」
中祖ヘッドコーチの思惑通り、小野は世界とのレベルの差を痛感した。それでも得られた収穫は大きかったと小野は言う。「これで自分の立ち位置や、これから自分がどのようなトレーニングをしたら良いのか理解できたので、良い経験になりました」
特に課題と感じたのはディフェンスの部分だった。「自分の課題は明確になっていて、ディフェンスの足がまだ全然ありません。スモールマンとマッチアップした時に、簡単に抜かれてしまったら話にならないので、常に課題意識を持ってプレーしています」
もともと小野はポテンシャルの高い選手で、高校時代の全国出場経験は国体のみだったにもかかわらず関東大学1部リーグに所属するチームからオファーを受けていた選手である。輝かしい実績を残したわけでもなく、江戸川大を選んだ理由を「強いチームを喰いたかったから」と話す反骨精神の塊にとって、代表選出はサプライズだった。
「まさか自分が3x3の『JAPAN』に呼ばれるとは思ってもいなかったです。選ばれた時は感動もありましたし、日本代表になれるかもしれないということでものすごくモチベーションが上がっています。でも日本代表になったからといってプレーが上手くなるわけではないので、チームとともにプレーをレベルアップさせていきたいです」
指揮官も認めるポテンシャルを持つ原石が、3x3という舞台で輝きを放つことに期待したい。