文=バスケット・カウント編集部 写真=野口岳彦、本永創太

栃木ブレックスは、3地区の中で最も激戦区である東地区を勝ち抜き、チャンピオンシップでもクォーターファイナルでオールジャパン王者の千葉ジェッツ、セミファイナルで西地区王者のシーホース三河との激闘を制してきた。一歩間違えば敗れてもおかしくない苛烈な戦いの中で、ディフェンスとリバウンドをベースとした自分たちのスタイルを磨き、今では絶対の自信を持つに至っている。昨シーズンまではNBLの強豪でありながら、しばらくタイトルからは遠ざかっている。キャプテンであり司令塔の田臥勇太を筆頭に、『Bリーグ初代王者』への思いは強い。


田臥勇太
0 PG

NBAでのプレー経験を持つ日本バスケットボール界のパイオニア。突出したバスケットIQを持ち、試合の流れを見極めつつ適切なプレー選択でチームを操る。特に大量ビハインドを背負った試合中盤や拮抗した終盤、田臥がチームの手綱を引き締めて勝利を拾う試合がしばしば見られた。コート外でも練習に取り組む姿勢やバスケット観で手本となるレジェンド。
渡邉裕規
13 PG/SG

田臥とプレータイムをシェアし、優勢であればその展開を引き継ぎ、劣勢であれば試合の流れを変えるシックスマン。特に立ち上がりがうまく行かなかった時、ベンチから出て試合を変えるエナジーをもたらす。ピック&ロールの使い方が上手く、勝負どころで見せるクラッチシュートでチームを盛り立てる。ムードメーカーとしての存在感も大きい。
生原秀将
46 PG

栃木初の特別指定選手として1月に加入し、3番手のポイントガードを務める。高いシュート力と当たり負けしない身体の持ち主。自らドライブで切り崩しフィニッシュまで持ち込める能力を持つ。筑波大のインカレ3連覇をキャプテンとして引っ張ったリーダーシップの発揮にも今後は期待したい。
前村雄大
3 PS/SG

熊本から加入して2年目、スピードや跳躍力のある身体能力に優れたポイントガード。田臥、渡邉という絶対的なガードがいて、シーズン途中から生原が加入したことで出場機会は断続的なものとなったが、堅守からトランジションを体現できるという点では栃木のスタイルに合ったプレーヤーだ。
遠藤祐亮
9 SG

足と手、そして頭脳を駆使したディフェンスは、リーグNo.1の堅守を誇る栃木の中でも突出している。フィジカルも強く、その執拗なディフェンスはエースキラーと呼ぶに相応しい。3ポイントシュートの成功率はチームトップの38.0%、栃木で唯一レギュラーシーズン60試合に先発出場したタフガイでもある。
須田侑太郎
11 SG/SF

キレのある動きとボールへの執着心を押し出したディフェンス力に定評があり、守備面での貢献が目立っていたが、シーズン終盤には2桁得点を連発。古川の穴を埋める形で先発出場の機会を得ていたシーズン前半よりも、ベンチスタートでチームにエナジーをもたらし、攻守に積極的に戦った後半に信頼を勝ち取り大きく飛躍した。
古川孝敏
25 SG/SF

3ポイントシュートだけでなく、ペリメーターのシュート成功率も高く、ロシターに次ぐチームの得点源。チームのオプションとして古川のセットプレーがあるなどオフェンスに注目が行くが、ディフェンスでもハードワークをこなす。ケガに苦しんだシーズンだったが、終盤の勝負どころできっちりと調子を上げてきた。
熊谷尚也
27 SF/PF

スピードと高さを兼ね備えた万能プレーヤーであり、Bリーグオールスターのダンクコンテストでも観客を沸かせた日本人ダンクマン。チャンピオンシップ準決勝の三河戦で見せた、流れを変える連続得点は記憶に新しい。先発は3試合だが、60試合すべてに出場。貴重なセカンドユニットとして信頼を勝ち取っている。
ジェフ・ギブス
4 PF

「交通事故と同じ」と対戦相手がマッチアップでの衝突を嫌がるフィジカルモンスター。インサイドプレーヤーとしては188cmと低いが、それを補って有り余るパワーとウイングスパンでゴール下を制圧する。パワーだけでなくボール運びもできるハンドリング、必要とあればファストブレイクの先頭を走る脚力も魅力。
竹内公輔
10 PF/C

4番ポジションで外国籍選手に引けを取らない、数少ない日本人ビッグマン。外国籍選手のようにパワーを前面に押し出す派手な戦いを見せるわけではないが、粘り強く相手の長所を消し、センターのマークに付くことでロシターの負担を軽減させて味方の長所を生かすなど、コツコツとチームプレーを積み上げる。ミドルレンジのシュートも上手く、主役を演じることも可能。
トミー・ブレントン
24 SF/PF

竹内、ギブスの加入でプレータイムを大幅に減らしたが、プレータイムを得られれば確実に数字を残す万能パワーフォワード。ギブス同様にボールを運べるハンドリングを持ち、アシストの能力も高く、バスケセンスは抜群。繋ぎの時間帯を信頼して託すことのできる存在だ。
ライアン・ロシター
32 C

Bリーグの初代リバウンド王であり、攻守ともに栃木の要となる選手。セミファイナルの三河戦での決勝点のように、ここぞという場面でボールを託される信頼感を得ている。昨シーズンのNBLプレーオフ準決勝の東芝戦では、彼のケガによりチームが失速、敗退する羽目に。リベンジの意識は誰よりも強いはずだ。

青木ブレイク 15 C
橋本晃佑 21 PF/C
門馬圭二郎 31 SG/SF
落合知也 91 PF/C

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