トビンマーカス海舟

『フォー兄さん』として一躍リーグの人気者となったトビン マーカス海舟。千葉ジェッツでプレーしていた昨シーズンは、シーズン途中から加入した東京ユナイテッドバスケットボールクラブでプレータイムを伸ばし、オフにはBリーグユナイテッドとしてリーグ選抜としての活動も経験した。

そんなトビンが新天地として選んだのは、Bリーグ参入3シーズン目となる新興クラブの福井ブローウィンズ。新しい挑戦でいっそうの活躍が期待されるトビンに新シーズンの展望を聞いた。

NBLNBAの選手に大きな違いを感じなかった」

──オフにはBリーグ選抜として、NBL選抜やNBAのサマーリーグ参戦中のチームと対戦しました。どのような体験でしたか?

めっちゃ楽しかった! 小さいころから僕の夢はNBA選手になることだったし、コービー・ブライアントが大好きだから。「NBLNBAと試合をする可能性があるけど、やりますか?」って聞かれた時から最高だったね。

──NBL選抜との試合では、チームハイの17得点とMVP級の活躍でした。もちろん手応えはありましたよね?

Bリーグにいる外国籍たちは本当に上手で、これまでNBLNBAでやってた人も多い。神様のおかげで、僕は毎日そういう選手たちと練習させてもらっていたからフィジカルが慣れていて、NBLNBAの選手とやっても大きな違いを感じなかった。僕もビックリしたよ。「え? 意外とできるじゃん!」って(笑)。でもNBAの選手はすごい跳んだね。ペイントエリアの外からジャンプして、ダンクしちゃう。ジャンプさせないように守ってたら全然大丈夫だったけど(笑)。オフェンスもBリーグより簡単だと思った。「スペースがあるから、クローズアウトに来たらドライブ」みたいな簡単な判断でプレーしていた。

──ここでの経験は福井でも生かせそうですね。どのようなプレーで貢献したいと考えていますか?

まずはディフェンス。福井の外国籍はみんな4番ポジションで、僕は3番から5番まで守れるから、そこは外国籍たちのお手伝いができる。オフェンスはリングアタックして、ライアン・ケリーとかシュートが上手な選手にキックアウトできたらチームに貢献できると思う。僕はもっと上手になりたいとずっと思っているから、福井では素晴らしい選手になれると思う。

──ペイントの浅い位置からのフローターは武器になると思いますし、3ポイントシュートも試投数を増やしていけそうですね。

やっぱり3ポイントが上手になったらバスケットはもっと簡単になると思ってる。リングアタックをもっと武器にするためにも、3ポイントはもっと上手にならないといけないね。

トビンマーカス海舟

「スペインスタイルを学べるチャンス」

──いろいろな選択肢があった中で、福井への移籍の決め手はなんだったでしょうか?

まだ若いから、プレータイムが一番大事だと思った。その中で福井は「マーカスのような、いろんなことができる選手がほしい」って言ってくれたから。あと福井はプレーオフにも行ったし、良い選手がたくさんいる。例えばケリーはレイカーズでプレーしていたし、ペリー・エリスもカンザス大学での活躍を見てすごい選手だなと思っていたから、いろんなことを勉強できる場所かなと思った。

あと、滋賀の時にマテオ・ルビオヘッドコーチと同じスペイン人のルイス・ギルと一緒にやってたのもある。みんなは「ルイス・ギルは激しすぎる!」って言ったけど、僕は何を言われても平気だった。スペインのバスケットは好きだし、スタイルを学べるチャンスだと思って親父に相談したら「行け!行け!」って言ってたから、じゃあ行こうかと(笑)。

──トビン選手のインスタグラムでユニフォーム姿のお父さんの写真を見ました。お父さんもバスケットボール選手だったんですか?

アメリカの海軍でバスケをしてて、バスケットがめっちゃ大好きな人だったけど、ヒザをケガしちゃって……。身体能力がめっちゃすごくて、僕みたいに高くジャンプしてシュートを打つから、僕も親父もシュートフォームが一緒。でもインサイドの人だったからドリブルが全然できなくて「ドリブルすると頭の上にボールが行っちゃう」っていつも笑いながら言ってたよ(笑)。

──チームはB2優勝を目標として掲げていると思いますが、チーム内でそのためにどのようなバスケをしていきたいと話していますか?

ボールを持ったらシュートなのかドライブなのかパスなのか、0.5秒で素早く判断しようと話してる。僕に合ってると思うし、みんな走れるから、超デカい外国籍が相手にいてもスピードを使ってアタックして、キックアウトしてやっていこうって。ディフェンスに集中することも大事。11を守ることやプレッシャーをちゃんとかけることを頑張ってる。

──ルビオヘッドコーチからよく言われていることはありますか?

よく言っているのは「カオス(大混乱)」だね。相手をカオスにするように、プレッシャーをかけることを目指してる。あとは、ロボットみたいな決まったバスケットするんじゃなくて、選手が考えることを大事にしてる。みんなプロフェッショナルだし、それぞれの考えを持ってやることが自信をに繋がるから、みんなで強みを見せていきたいね。

トビンマーカス海舟

「新しいポーズを考えるから楽しみにしててね」

──まだ24歳です。将来、どんなプレーヤーになっていきたいですか?

コービーが大好きだったから、心の中ではエースになりたいとずっと思っている。でも、今はまだそこじゃないから、エースになるために何が必要か考えてて……。最初はエースじゃなかったけどエースになった選手を考えたら、カワイ・レナードやジミー・バトラーが思い浮かんだ。彼らはディフェンスがうまかったからプレータイムが伸びて、どんどんオフェンスも上手になって、最後はなんでもできるスーパースターになったから、僕もいつかそういう選手になりたい。全部できるような選手に。

──福井はまだ創設3年目の若いクラブですが、その中でも勝ち星を挙げてきました。トビン選手は、ウイニングカルチャーができあがっている千葉Jでプレーしましたが、福井がより良くなるために何が必要だと思いますか?

入ってビックリしたけど、福井は全部ちゃんとやってる。選手もコーチもフロントオフィスも。ブースターもすごいからめっちゃ良いチームだと思った。それが3年くらいでできてるから本当にビックリ。これを毎日続ければもっとレベルが上がると思う。

──本当に福井のブースターは熱いですよね。早く「フォー!」で会場を沸かしたいですね。

めっちゃ言いたい(笑)。でも、何も考えないで「フォー!」をやると、自然とジェッツポーズ(両手の人差し指を前に出すポーズ)をやっちゃうから、何か新しいのを考えないと。福井のみんなは優しいから、ジェッツポーズをやっても笑ってくれると思うけど、新しいポーズを考えるから楽しみにしててね。

──最後に、応援してくださっている皆さんにメッセージをお願いします。

福井ブローウィンズブースターのみんなと一緒に戦うことを楽しみにしています。優勝するために頑張りましょう!フォーーー!