河村の投入でスピードが上がり、チーム全体が活性化
ブルズの一員となった河村勇輝のサマーリーグ3試合目、ペイサーズ戦。この日もベンチスタートとなったが、第1クォーター残り5分半でコートに送り出されると、最初のプレーで相手のハンドラーのドライブをフットワークの良いディフェンスで許さず、ハンドオフで振り切ろうとする相手にしぶとく食らい付いてミスを誘い、バックコートバイオレーションに追い込む。
出だしの好守で河村はリズムに乗った。ブルズのチームメートも河村に呼応するように縦へのスピードを上げ、試合のペースが一気に上がる。相手が下がって守るようになったことで先手を取れるようになった河村は、素早くシンプルなパスで連続アシストを記録すると、ステップバックのミドルジャンパーを決めて初得点。残り30秒にはスクリーンを使って加速、急ブレーキしてのプルアップで背後から追ってきたディフェンスのファウルを引き出し、なおかつシュートもねじ込むバスケット・カウントを決めた。
第2クォーターもそのままプレーを続けてチームを引っ張る。第3クォーターはスタッツ以上に河村がチームのプレースピードを上げ、それでチームの好守を活性化させた影響力が印象深い。おそらく序盤の好パフォーマンスが効き、第3クォーターはスタートで出て、第4クォーターも残り6分半から試合終了までを任させる『主力』としての起用法をされた。
河村はその起用に応え、接戦の中で常にブルズが主導権を握り続けるゲーム展開を作り出す。試合を通してスタッツは順調に伸び、28分の出場で15得点10アシストのダブル・ダブル、さらに3スティールを記録し、114-105の勝利に大きく貢献した。
オフェンスでの活躍はスタッツが示す通りで、ディフェンスでも高さの不利がありながらもフットワークを生かし、フィジカルで当たり負けすることもなく弱点とはならなかった。NBAで契約を勝ち取らなければいけない立場ではあるが、すでに昨シーズンのグリズリーズでNBA22試合に出場している実績ある選手として、河村はサマーリーグで『別格』の存在感を見せている。
Yuki Kawamura DAZZLES in the @chicagobulls W in Vegas 💫💯
15 PTS
10 AST (several are 😱)
3 STL pic.twitter.com/3okDslbGuT— NBA (@NBA) July 15, 2025