文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

ダブルチームを受けてからの展開に差が生まれる

24勝27敗の大阪エヴェッサと、それを1ゲーム差で追いかける名古屋ダイヤモンドドルフィンズが対戦した。

立ち上がりは混戦状態だったが、第2クォーターに入ると大阪がリーグ2位の3ポイントシュート成功率の力を発揮。インサイドにダブルチームに来る名古屋Dのディフェンスに対し、球離れを早くしてノーマークを作り出していく。相馬卓弥が3本すべての3ポイントシュートを成功させ点差を広げていった。

さらには身体をしっかり寄せて名古屋Dにタフショットを打たせ、好守から速攻を決め、第2クォーターのオフィシャルタイムアウト明けの時点で41-21と20点差に。

しかし名古屋Dもここから反撃。船生誠也が3ポイントシュートを決めて大阪のランを断ち切ると、オフェンスファウルを誘発して流れを引き寄せる。24秒バイオレーションを誘発するなどアグレッシブな守備で立て直し、33-47と14点差まで縮めて前半を終えた。

それでも後半に入ると再び大阪がペースを握る。前半同様にインサイドをケアする名古屋Dの守備に対して落ち着いてズレを作り出す。素早いパスワークでダブルチームを無効化することで、ジョシュ・ハレルソンとエグゼビア・ギブソンの強力インサイド陣が楽にプレーできることにも繋がり、1試合を通じてペイントエリアを支配した。

ディフェンスもローテーションがうまく機能し、名古屋Dにわずかなズレを作られてもすぐにカバー。ノーマークでのシュートチャンスを与えなかった。

また大阪は根来新之助のオフェンスリバウンドが効き、セカンドチャンスポイントを積み重ねる。第3クォーターは大阪が5つのオフェンスリバウンドを獲得したのに対し名古屋Dは0と、反撃の糸口を与えなかった。

「ゲームプラン通り」と指揮官が振り返る会心の勝利

第3クォーターを終了した時点で大阪のリードは24にまで広がり、最終クォーターのスコアでは名古屋が上回るも、木下博之が時計を進めながらしっかりとゲームをコントロールし、大阪が92-73で勝利した。

大阪の桶谷大ヘッドコーチは「ゲームプラン通り、特にディフェンスがピタッとハマった。選手たちがそれを遂行してくれたその差だと思います」と語る。20分の出場で14得点のスタッツを残した根来も「ローテーションがうまくできた」と桶谷コーチと同じくディフェンスでの勝利を強調。ジャスティン・バーレルをダブルチームで止め、ジェロウム・ティルマンには気持ち良く3ポイントシュートを打たせない。得点源の2人をチームディフェンスで封じたことを勝因に挙げた。

名古屋Dは大阪の堅守にタフショットを打たされる展開となったが、打開できずに一度ボールを止めてしまうと打つ手がなくなる印象で、決めなければいけないシュートも落とすなど終始リズムに乗れなかった。ジャスティン・バーレルは4月1日の復帰から4試合目、12得点と及第点の仕事はしているが、本調子を取り戻すにはまだもうしばらくかかりそうだ。

組織力で上回る良い勝ち方をした大阪。次節は琉球ゴールデンキングス、その次はシーホース三河と正念場を迎える。5連敗と苦しむ名古屋Dに明日も勝って勢いに乗りたいところ。対する名古屋Dは、西地区の『1強』である三河との対戦を残していない強みを生かすためにも、ホームで連敗し大阪に走られるわけにはいかない。

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