ハイメ・ハケスJr.

1年目でヒートの主力となるもサマーリーグに出場

ハイメ・ハケスJr.はルーキーシーズンからヒートの主力に定着し、攻守にエネルギッシュに戦う姿でファンの支持を獲得して、ビクター・ウェンバニャマほどのインパクトを残したわけではないにせよ、オールルーキーのファーストチームに選出された。プレーオフのファーストラウンドで1年目のシーズンは終わったが、「オフも休むつもりはない。もっと強くなって来シーズンに臨むつもりだ」と語り、その通りのオフを過ごしている。

アメリカ代表の始動とともに、そのトレーニングキャンプ地であるラスベガスにハケスJr.の姿があった。練習のパートナーを務めるセレクトチームの一員に選ばれたのだ。「代表の素晴らしい選手たちと一緒に過ごせるのは特別な栄誉だ」と彼は言う。「この10年のNBAを牽引してきた選手が、金メダル獲得を目標にして集まった。そこに立ち会い、それだけじゃなく対戦できるなんて、本当に特別なことだよ」

それが終わると、そのままラスベガスに残ってサマーリーグに参加。2年目の選手がプレーするのは珍しいことではないが、チーム内で居場所を確立した主力は出場しないもの。それでもハケスJr.は「もともとプレーするつもりだった。プレーする機会があるのならどこにでも行くよ。体育館でドリルをやるより試合がしたいんだ」と語る。

「これも『ヒート・カルチャー』の一つかもしれない。オフに入って自分のプレーを磨いてきた。それがどれだけ通用するか試したい。若いチームでリーダーシップも求められるから、そういうスキルも身に着けたい。とにかく、いろんなことを試して自分を成長させたいんだ」

そのハケスJr.は、バックス戦で29得点11リバウンド、サンダー戦で23得点と抜群のパフォーマンスを見せ、ヒートを連勝に導いた。出場するのはこの2試合のみで、マイアミに戻ったが「本当はもっとプレーしていたかった」と彼は言い、ラスベガスを名残惜しんだ。「代表のトレーニングキャンプに参加して、ワークアウトをして、いろんな経験ができた。でも試合でプレーすることに勝るものはないよ。トレーニングキャンプだってワークアウトだって、結局は試合のためにやるものだからね。だから実戦でプレーできて本当に良かった」

まだオフは長いが、ヒートのトレーニングキャンプ開始まで彼は一人で自分のスキルを磨き続けることだろう。見据えるはNBAでの2シーズン目に、より強くなった姿を見せ、ヒートを牽引すること。ヒートは昨シーズン終了後にジミー・バトラー放出の噂があったが、結局はロスターをほとんど変えることなく新シーズンに臨むことになりそうだ。

サラリーキャップの縛りが厳しくて動くにも動けない状況なのだろうが、ハケスJr.は「僕としては、フロントが今いる選手とドラフトで指名した選手に賭けているんだと思っている」と受け止める。「僕らはその期待に応えなきゃいけない。特に僕と二コラ・ヨビッチのような若手がより大きな役割を担い、チャレンジしていくことが大事になる。僕もこの1年で多くの経験を積んだから、来シーズンに何ができるのか楽しみにしているよ」