「試合を始めて終わらせる、それが僕の考えるすべて」
ブラッドリー・ビールが現地12月29日のホーネッツ戦で足首のケガから2週間ぶりに復帰し、サンズの『ビッグ3』が揃った。デビン・ブッカーが35得点7アシスト、ケビン・デュラントが21得点11アシストを記録。ビールはキレのあるドライブを封印し、6得点7アシストと得点は伸びなかったが、復帰戦で30分間プレーできたこと、そしてチームが勝てたことに意味がある。
今夏にサンズ移籍の決まったビールは開幕からケガ続きで、この試合を含めても出場いまだ7試合。当然ながらケミストリーの構築も進んでおらず、ギリギリ5割を保つ(16勝15敗)サンズの不完全燃焼な戦いの原因となっている。
「まずは戻って来ることができて良かった」とビールは言う。「ただコートに出てプレーしているだけでいいんだ。試合を始めて、試合を終わらせる。それが僕の考えるすべてだった。足首の捻挫は普段なら大したことはないんだけど、今回はかなりひねったんだ。腰の痛みがようやく癒えたところでまたすぐケガをしたから、今回はかりは精神的にかなりキツかった」
「自分たちの実力は分かっているけど、プレーできるコンディションを保つのが前提だ。足首についてはもう大丈夫。本当はまだ100%ではないにしても、精神的にケガを過去のことにして、大丈夫と信じてプレーするんだ。実際、今日ちゃんとプレーできたのはメンタル面でケガを乗り越えられたからだ。走れるし跳べる。このスポーツの難しいところは、試合でプレーしてみない限りは『行ける』と確信を得られないことだ。実際に試合でプレーしなければ分からないことはたくさんある」
ビールはまだ自信を取り戻せていない。この試合で復帰の一歩を踏み出したのは良いが、それを積み重ねて個人のパフォーマンスを上げ、チームとして機能させるには、まだ多くの課題があることを理解しているからだ。それでもデビン・ブッカーは、ビールの復帰を喜ぶとともに、今後は良くなるばかりと楽観的に考えている。
「ブラッド(ビール)が戻って来たのはエキサイティングだ。試合を通してちゃんとプレーできることが確認できたし、次の試合に向けた準備が楽しみだ。プレーできないことで彼がどれだけ大変な思いをしたかは分かっているからなおさらだよ」
身内に不幸があってしばらく欠場していたユフス・ヌルキッチもチームに復帰しており、『ビッグ3』に劣らぬインパクトを見せている。ジョシュ・オコーギーにナリール・リトルとまだケガ人はいるが、彼らもいずれ戻って来る。不完全燃焼が続いたサンズだが、上昇気流に乗るきっかけはつかめたようだ。