安間志織

海外での武者修行に続き、前回のトルコ戦でも多大なインパクトを残す

バスケットボール女子日本代表はラトビアとの国際強化試合『三井不動産カップ2022(宮城大会)』 を来週に控え、会見を行った。

前回のトルコとの強化試合で先発ポイントガードを託された安間志織は「個人的に、恩塚(亨ヘッドコーチ)さんのオフェンスにも慣れてきました」と言い、順調な仕上がり具合にあることをうかがわせた。

昨シーズンの安間は新しい環境へのチャレンジを決意し、ドイツのブンデスリーガ(DBBL)フライブルクへ移籍。サラリーや環境面が日本よりも大幅に下がることを覚悟の上での渡独となったが、チームを優勝に導き、自身もファイナルMVPを受賞する最高のシーズンを送った。そして、日本に帰国して迎えたトルコとの強化試合では2試合平均で8.5得点、4.0リバウンド、2.0アシスト、1.5スティールとを記録し、安定したパフォーマンスを見せた。また、ディフェンスの激しさや球際の強さなど数字以上のインパクトを与えたが、安間自身も数字に表れない部分での貢献を大切にしている。

「日本らしい激しいディフェンスを40分間できるように、ポイントガードの私からプッシュしていけたらと思っています。チームも恩塚さんのバスケに慣れてきたと思うので、プッシュしながら速いリズムを作って、自分も攻めながら周りのシュートチャンスを作れたらと思っています」

日本の最大の武器はプレッシャーディフェンスからの高速トランジションオフェンスと、高確率な3ポイントシュートだ。これらを実現するには、ポイントガードの役割が重要になる。背中でディフェンスを引っ張り、オフェンスでは打開してシューター陣に良いパスを供給しなければならない。アシスト能力も一級品な安間だが、どちらかと言えばディフェンスを持ち味とするため、パスが現在の課題だと言う。「パスをする側としては、アタックをして引きつけながらシューターが良いシュートを打ってもらうようにしています。シューターが打ちやすいパスをというのは、チームの課題として取り組んでいて少しずつ良くなっているところです」

あと一歩のところで東京オリンピック出場を逃した安間だけに、今回のワールドカップに懸ける思いは強い。それでも、特にポイントガードは競争が激しく、安間でさえ代表入りが確実とは言えない。代表候補選手はそれぞれに特化した武器を持っているが、安間はあらためてトランジションを操る能力とフィジカルなディフェンス、オフェンスのオールラウンド性で代表定着を狙っていくと意気込んだ。

「私からチームに勢いをつけるためにも、ディフェンスからプレッシャーをかけ続けたいのが一つ。シュートは自信を持って打てるようになっていますが、私としては守備から速いオフェンスに持っていくリズムにすごく自信があるので、そこはプッシュしていきたいです。ドライブして自分のシュートも狙いつつ、キックアウトしてシューターに良いシュートを打ってもらう、それも私はできると思っています」