終盤のKAGOのプレスに対し「選手は経験済みなので、落ち着いてやれました」
Jr.ウインターカップ、男子の決勝はゴッドドア(神戸)とKAGO CLUB(大阪)の対戦。最後までもつれる混戦となったが、多くの時間帯でリードを保ったゴッドドアが最後に突き放し、優勝を決めた。
第1クォーターはエースの瀬川琉久が8得点を奪ったゴッドドアに対し、KAGOが先発全員得点で対抗して16-16と差が付かず。それでも第2クォーターに入ると、外のシュートが入らないKAGOの得点が止まった一方で、ゴッドドアは3ポイントシュートにドライブで仕掛けてのバスケット・カウントと、内外バランスの良い攻めで残り4分で28-20とリードを奪った。
前半を終えて31-39とビハインドを背負ったKAGOは、ボールへの執着心を強く出すことでサイズの不利を埋めて、ボールをシェアするだけでなくチャンスと見れば個人が強気で仕掛けるようになり、渡邊大翔を中心に点差を詰めていく。それでも1ポゼッション差でゴッドドアが踏ん張り、渡邊へのディフェンスを強めてターンオーバーを誘い、速攻に転じる展開に持ち込んで、52-45と再び突き放して第3クォーターを終えた。
渡邊が瀬川との1対1でバランスを崩しながらも決めきるバスケット・カウントでKAGOに流れが傾きかけたが、すぐに反撃に転じたゴッドドアは馬場瑠音、瀬川と速い攻めからきっちりと得点に繋いで主導権を渡さない。この勝負どころでゴッドドアの選手たちは声を出して気迫を前面に押し出し、ディフェンスとリバウンドで今日一番の強度を出してKAGOをねじ伏せた。
残り4分で59-50。ここからKAGOはオールコートプレスに打って出て、スティールからの速攻を連続で決めた。「10点差なら勝負になると思っていました」と言う丸田健司コーチはこれで勝負に出てゴッドドアを浮き足立たせたが、本間雄二コーチは「当然、ここで来るぞというのは分かっていて、こちらもトラブルが起こるのは分かっていました。ただ選手は経験済みなので、そこで落ち着いてやれました」と語る。
そして、本間コーチは「KAGOさんのシュートがちょっと落ちて、ウチが走れた。それだけの差です」と語る、勝敗を分ける差が生まれた。KAGOは決まれば大きな3ポイントシュート、外してはいけないフリースローがリングに嫌われ、ゴッドドアはプレスに苦しみながらもかいくぐって速攻を決め、大事なフリースローもきっちり決めた。最後は瀬川がKAGOのプレスをすべて個人技で抜き去ってファウルを獲得。こうして68-58で競り勝ったゴッドドアが初優勝を決めた。
瀬川は28得点16リバウンドを記録。スタッツだけでなく、KAGOに流れが行きそうな場面でオフェンス、ディフェンスともに違いを生み出す圧巻のパフォーマンスを見せた。