文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

過酷な総力戦、コンディション不良に足を引っ張られた北海道

金曜ナイトゲーム開催となったレバンガ北海道vs栃木ブレックス。ライアン・ロシターが先制点から連続6得点を決めて栃木ブレックスがリードする。前夜は勝利したものの「ディフェンスが悪かった」と反省しきりだった栃木は、立ち上がりから最大限の集中力で北海道を抑え込み、古川孝敏が2本の3ポイントシュートを決めて18-11とし、試合の主導権を握った。

第2クォーターも栃木のペース。遠藤祐亮、竹内公輔の3ポイントシュートで27-18とリードを広げる。だが、ここで栃木のシュートが入らなくなると、大黒柱のダニエル・ミラーが攻守に存在感を見せ始め、桜井良太と野口大介もこれに連動して北海道の時間帯に。一気の反撃に遭い、多嶋朝飛の3ポイントシュートで29-28と1点差まで詰め寄られる。

しかし、ここでトミー・ブレントンのパスを受けたロシターがゴール下で粘ってバスケットカウントの3点プレーで北海道の流れを断ち切る。続いて古川が3ポイントシュートを狙った際にファウルを受け、フリースロー3本を確実に決めて再び3点プレーで突き放す。さらにはジェフ・ギブスのスティールから独走しての得点、渡邉裕規のパスフェイクを入れてのダブルクラッチと好プレーが飛び出した。それでもオフェンスが当たり始めた北海道も粘りを見せ、45-37で前半を終える。

後半、北海道は逆転を目指し攻守によりアグレッシブなプレーを見せるが、栃木も正確にシュートを沈めていく。古川の3ポイントシュートで点差を2桁に広げると、リバウンドを押さえた田臥勇太がマークする多嶋を身体でブロックしたままトップスピードでレイアップを沈める。北海道は野口が2本の3ポイントシュートで食い下がるが、じわじわと点差は開いていく。さらには残り2分24秒で、激しく当たっていた北海道が5ファウルに。栃木はこの機を逃さずにギブスがフリースローで加点し、リードを広げる。

そして迎えた第4クォーターの開始直後、ブライアン・フィッツパトリックが左足のふくらはぎを痛め、プレー続行不能になってしまう。オンザコート2の状況で、ロシター、ギブス、竹内がコートに立つ栃木は高さと強さで圧倒的優位に。北海道にとっては痛すぎるアクシデントだった。

北海道はホームに集まった3002人のファンの前で、最後まであきらめずに激しく戦う。その結果、接触した桜井とギブスが熱くなり両者にテクニカルファウルが宣告されるシーンもあった。野口、多嶋が懸命に追いかけるが、栃木も攻守に気を緩めることがなく、残り4分14秒、熊谷尚也の得点で88-58とリードを30点に広げる。最終的に98-66で栃木が勝利した。

栃木はロシターがゲームハイの25得点を記録。古川が4本の3ポイントシュートを含む19得点で続いた。北海道は野口、多嶋、ミラー、桜井が2桁得点を記録するも及ばず。リバウンドは北海道の30に対し栃木が48と圧倒。特にオフェンスリバウンドは北海道6、栃木16と、この差が試合展開を大きく左右した。北海道は前述のフィッツパトリックのケガに加え、西川貴之がケガで出場できず。総力戦の状況でコンディションの不利に足を引っ張られた。