ケレル・ウェア&バム・アデバヨ

アデバヨがウェアの上からダンクする『珍プレー』も

ヒートは連勝と連敗を繰り返し、この数週間も楽なスケジュールの割には期待通りに勝ち星を伸ばすことができていない。ここまで28勝26敗の東カンファレンス8位。噂されたヤニス・アデトクンボ獲得は実現せず、このメンバーで最後まで戦い抜く覚悟を決めることとなった。そうである以上、レギュラーシーズンでは少なくとも6位までは順位を上げてプレーオフのストレートインを勝ち取りたい。

ホークスとセルティックスに連敗した後、現地2月8日にはウィザーズ相手に132-101の快勝を収めた。相手は下位チームだけに勝って当然ではあったが、指揮官エリック・スポールストラは「不甲斐ない試合の後に立ち直るのが大事で、それは昨日のビデオセッションとミーティングから始まった。移動もあってみんな疲れていたが、挽回しようと燃えていた」と、精神面で立ち直った選手たちの姿勢を称えた。

ウィザーズ戦ではリバウンドで60-42と圧倒し、特にオフェンスリバウンドで21-10と違いを見せた。2年目のケレル・ウェアはベンチスタートながらチームで最も長い30分のプレータイムを得て、ゲームハイの14リバウンドを記録。バム・アデバヨとフロントコートで組む時間が長く、このコンビがインサイドを制圧した。

「最初に彼がコートに戻る時、僕が交代で下がると思ったんだ。でも他の選手との交代が指示されたから『やった!』と思ったよ」とウェアは笑顔で振り返る。

「頼れる存在がいる。その安心感とともにプレーできるのは良いことさ。今日は相手が僕にセンターをマッチアップさせて、やや小さい選手をバムに付けた。バムはそれでプレーしやすくなるし、相手にボックスアウトさせずにリバウンドを取れるからね」

2人のリバウンドへの意欲は『珍プレー』も生み出している。第2クォーター終盤、味方のジャンプシュートが外れたオフェンスリバウンドに対し、ウェアは相手をボックスアウトし、アデバヨが外から飛び込む。ウィザーズの選手は競る意欲が全くなく、結果として飛び込んだアデバヨはウェアの上からプットバックダンクを叩き込むことになった。

「たまたまそうなってしまって『ごめん!』って感じだったけど、最高のプレーだったね」とアデバヨは笑う。「彼がいるのは分かっていたし、自分の前が空いているのも分かっていたけど、あれだけ完璧なバウンドでボールが僕の手元に来るとは予想していなかったんだ。跳んだ瞬間に身体が反応した。SNSのプロフィール画像をあのシーンに変えるつもりだけど、誰の上からダンクを叩き込んでいるかは内緒にしておいてくれ(笑)」

世界中で動画が拡散されているが、ウェアにとっては愉快なシーンではなかった。「僕はリバウンドを取りに行こうとして、良いポジションにいたつもりだったんだけどね。まさか彼が突っ込んで来てダンクするとは思わなかった。もちろん、チームメートにダンクを食らうことなんて初めてだ。この話はこれぐらいにしておいてよ(笑)」

指揮官スポールストラは、このシーンについても真面目に「あの2人は常にああいう姿勢であってほしい」と語った。「スペースの面で多少は譲り合うことも必要だろうが、2人には今後もリバウンドへの執着心を出していってほしい」

大型補強は実現しなかったが、ヒートは自分たちのタレントを育て、自分たちのスタイルに磨きをかけることで強豪の姿を取り戻そうとしている。2年目のウェアだけでなく、カスパラス・ヤクショニスとマイロン・ガードナーのルーキーコンビも自信を持ってプレーできるようになった。

「チーム全員が『自分の役割はガッツとエネルギーをチームにもたらすことだ』という意識を持ってほしい。才能ある選手たちが泥臭い仕事や仲間のためのプレーに本気で取り組んだ時に、チームの力を最大化できる」。指揮官スポールストラはヒートの理想像をこう掲げており、チームがその姿に一歩ずつ近付いていることに大きな手応えを感じている。