帝京長岡

第3クォーターをわずか8失点に抑えて逆転に成功

ウインターカップ6日目。男子準決勝の福岡第一(福岡)vs帝京長岡(新潟)の一戦は、持ち前の堅守を発揮して第3クォーターを20-8と圧倒した帝京長岡が67-61で勝利し、決勝進出を決めた。

ともにハードなディフェンスを持ち味とするチーム同士の対戦とあって、立ち上がりは拮抗した。しかし、福岡第一の得点源である佐藤涼成に第1クォーターだけで3ポイントシュート2本成功を含む8得点を許したこともあり、14-20とビハインドを背負った帝京長岡が追いかける展開が続き、28-34で前半を終えた。

しかし、前日の県立小林(宮崎)との試合でも第3クォーターにディフェンスからの走るバスケットで主導権をつかんだ帝京長岡が、この試合でも後半になるとディフェンスのギアを上げる。

3スティール1ブロックショットと堅守でチームに貢献したポイントガードの大月舜が「相手の8(轟琉維)と88(佐藤)のドライブと、そこからのキックアウトからの52(小田健太)の3ポイントシュートを撃たせないようにチームで意識しました」と語ったように、帝京長岡は福岡第一にシュートチャンスを与えないディフェンスを見せた。その結果、スティールやリバウンドからの走るバスケットへと持ち込んだ。オフェンスでは全員が積極的にリングにアタックし、福岡第一のディフェンスを収縮させたところで、キックアウトから古川晟や箕輪武蔵が3ポイントシュートを沈めていった。こうして第3クォーターを20-8として逆転に成功した。

一方の福岡第一は、帝京長岡の堅守の前に攻めあぐねた。得点源である轟と佐藤は厳しいマークにあい、すべてタフショットへと追いやられた。全員が足の動く帝京長岡の強固なディフェンスの前にパスコースもなくなり、ショットクロックぎりぎりになって轟がシュートを放つも、ことごとくリングに嫌われリズムをつかむことができなかった。

48-42と帝京長岡がリードして迎えた最終クォーター。終盤には福岡第一のオールコートプレスに手を焼き、残り1分55秒で61-61と同点に追いつかれたが、コネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメードがゴール下で福岡第一からファウルを誘ってフリースローを奪うことで逃げ切り、勝利した。

帝京長岡はこの試合で、轟をフィールドゴール36本中わずか6本成功の14得点に、佐藤をフィールドゴール21本中7本成功の19得点に抑えるディフェンスを見せた。

帝京長岡

「サポートメンバーが第3クォーターの入りで守備が激しくなると教えてくれた 」

終盤に追い上げを見せたが、あと一歩届かなかった福岡第一の井手口孝コーチは「逆転して終わるかなという感じはありましたが、帝京さんの粘り強いディフェンスやしぶといシュート、7番の島倉(欧佑)君のリバウンドといったところが、ウチには足りなかった」と試合を振り返った。

その島倉は12得点7リバウンド1スティール1ブロックを記録。第3クォーターにディフェンスから主導権を握った要因を「サポートメンバーが第3クォーターの入りで(相手の)ディフェンスが激しくなると教えてくれたので、そこで対策ができた」と語り、準備の賜物と強調した。

帝京長岡はウインターカップ制覇まで、あと1勝となった。決勝戦の相手は、インターハイ王者の中部大学第一(愛知)やディフェンディングチャンピオンの仙台大学附属明成(宮城)を破って勝ち上がってきた福岡大学附属大濠(福岡)だ。

島倉はこう意気込みを語った。「大濠さんは身長が高くて、リバウンドやディフェンスが上手いチームです。リバウンドで競り勝って、ディフェンスで守りきって相手の得点を減らして、自分たちは得点していきたいです」