琉球ゴールデンキングス

エバンス、ダーラム、小寺による走れる『ビッグ3』が試合の流れを変える

琉球ゴールデンキングスvs京都ハンナリーズの水曜ナイトゲームは、最終クォーターに持ち前のディフェンスから得点を量産した琉球が80-67で勝利した。

西地区首位の琉球と最下位の京都の試合とあって、琉球が序盤から圧倒するかと思われたが、第3クォーターの終盤までは京都がリードする展開が続いた。

京都は丁寧なチームディフェンスで琉球のオフェンスに対抗した。全員が足を動かしてカバーに入り、ペイントエリアで簡単なシュートチャンスを与えない。琉球の大黒柱であるジャック・クーリーに対してはダブルチームを徹底するなど、チーム一丸で統率の取れた守備を見せた。その結果、前半だけで琉球から8本ものターンオーバーを誘発し、そこから11得点を挙げた。

オフェンスでも全員がオフボールで動き回ることでスペースを作り出し、司令塔の鈴木達也がアドバンテージを見つけては仲間のシュートをお膳立てする見事なゲームメークを見せた。外国籍選手が2人しかいない京都だが、日本人ビッグマンの永吉佑也が守備ではインサイドで身体を張り、オフェンスでは3ポイントシュートにドライブなど幅広いプレーでチームに貢献。また、細川一輝や満田丈太郎を中心に積極的にリングにアタックしていくことで、第3クォーターの中盤には10点のリードを奪った。

しかし、ここから琉球の時間帯がやって来る。桶谷大ヘッドコーチが「連戦が続いているので、プレータイムの1回で出るタイミングを少し早くローテーションをした」と語ったように、ここまで8人ローテーションで回していた京都に対し、琉球はタイムシェアを徹底して前半の時点で全選手がコートに立っていた。特にクーリー、ドウェイン・エバンス、アレン・ダーラムの3人は頻繁に交代を繰り返し、後半勝負を狙って消耗を抑えていた。

第3クォーターの中盤から疲れが見え始め、ファウルも増えた京都に対し、クーリーのパワープレーで点差を詰めると、たたみかけるようにダーラム、エバンス、小寺ハミルトンゲイリーによる機動力に長けた『ビッグ3』を起用。ディフェンスからのトランジションバスケで主導権を握り逆転に成功した。

53-50と琉球のリードで迎えた最終クォーター。ディフェンスの強度を上げた琉球は、京都のピック&ロールやキックアウトのパスを次々とカットして速攻へと転じた。こうして、最終クォーターの前半約5分間で琉球は京都から6本のターンオーバーを誘発し、そこから11得点を挙げて66-52とリードを広げ、最終スコア80-67で勝利した。

京都ハンナリーズ

16連敗と苦境は続くが、次戦への活路を見いだす

西地区首位の琉球を相手に奮闘するも力尽きた京都はこれで16連敗。開幕から2勝1敗のスタートを切った後、2カ月以上も勝ち星から遠ざかっている。

京都の小川伸也ヘドコーチは、敗因を自分だと語る。「前半はリバウンドを我慢できましたが、最終的にリバウンドは27-46と差が大きくなってしまいました。でも、選手たちはできる限りのベストを尽くしてくれたし、僕がそこをコントロールできていたらもっと良いゲームになっていたんじゃないかと、すごく反省しています」

長いトンネルを抜け出せないでいる京都だが、この試合ではリーグ首位の琉球を苦しめ、終盤に逆転されてからも選手は最後まであきらめないで戦う姿勢を見せ、次に繋がる試合となった。

小川コーチも「本当に苦しい状況が続いていますが、オフェンスもディフェンスもちょっと変えたりしていて、今日の試合ではその部分で良い面が多々見られました」と言い、こう続けた。「何よりも選手が40分間、点差に関係なくハードワークをしてくれたことが、自分達にとってはものすごく大きな明るい兆しだったと思います」