復帰戦の相手が古巣のグリズリーズ「感慨深いものはありました」
ラプターズの渡邊雄太が現地11月24日に行われたグリズリーズ戦でついに復帰を果たした。コートに立った直後からブロックショットを決めるなど、持ち前のディフェンス力を発揮した渡邊は約14分間のプレーで3得点3リバウンド2スティール2ブロックを記録し、126-113での逆転勝利に大きく貢献した。
渡邊はプレシーズンゲーム1試合に出場した後、左足を痛めて戦列を離れていた。約2カ月ぶりの実戦を加味し「ディフェンスの部分で良い貢献ができた。得点以外の部分で評価してくれているのはありがたいですけど、得点の部分でもアピールしていかないといけない」との自己評価を下した。
最終クォーター開始1分には、ディロン・ブルックスのダンクをクリーンブロックして失点を防いだ。一度はファウルの判定が下ったものの、ニック・ナースヘッドコーチが1試合に1度しか申請できないコーチチャレンジを迷わず要求し、適切なブロックだったと判定が覆った。そのブロックの直前、渡邊は相手の接触を受けつつトランジションからレイアップに持ち込んだが、ファウルがコールされずにシュートも外れて悔しさを滲ませた。こうした経緯もあり、「個人的には2回連続で自分のプレーが審判によって左右されたので、チャレンジしてくれたのはありがたかった」とナースヘッドコーチへの感謝を語った。
復帰戦の相手が古巣のグリズリーズだったことはどこか運命めいたものを感じる。グリズリーズは渡邊がNBA選手としてプレーした最初のチームだったが、Gリーグでいくら結果を出してもプレータイムをもらえず、不遇の時期を過ごしたチームでもある。渡邊は以前から、この2年間が必要な時間だったと語っていたが、その思いは現在も変わっていない。
「周りからいろんな意見を聞くんですけど、僕自身はいろいろな準備ができたグリズリーズでの2年間は大切だったと思っています。このコートでプレーした時間は少なかったですけど、初めてNBA選手として立った場所でもありますし、感慨深いものはありました」
グリズリーズ時代にあきらめないで努力を続けてきたからこそ、ラプターズとの本契約を勝ち取ることができた。ケガから復帰した渡邊にとって、最高のリスタートとなった。