セカンドユニットを含めた総合力で三遠が上回る
開幕4連勝で中地区の首位に立つ三遠ネオフェニックスと、開幕からいまだ勝ち星がない同地区最下位の横浜ビー・コルセアーズとの一戦は、三遠が後半に逆転し71-62で下した。
立ち上がりは両チームともシュート精度が上がらず、ロースコアの展開に。そんな中でも三遠は、ロバート・ドジャー、リチャード・ロビーがペイントエリアで体を張り、ゴール付近で粘り強く得点を決めリードする。
しかし、マンツーマンからゾーンに切り替える横浜の対応に勢いを止められると、ジェイソン・ウォッシュバーンに6連続得点を奪われる。ウォッシュバーンにオフェンスリバウンドを奪われてのダンクを決められ同点とされると、今度は外のマークが甘くなり川村卓也に思い切りの良い3ポイントシュートを決められ、28-30と逆転されて前半を終えた。
それでも三遠はハーフタイムに相手のゾーンディフェンスへのアジャストを済ませ、後半からオフェンスが動き始め逆転に成功する。得点こそ外国人選手が中心になるものの、三遠の試合巧者ぶりを支えるキーマンは日本人選手の2人だ。
まずは日本代表のセンター、太田敦也。ハイポストでボールを呼び込みパスの循環を良くするとともに、自らもミドルショットを決めて、横浜のディフェンスを崩す橋頭保となり、要所で堅実に結果を出してチームに勢いをもたらした。もう一人はポイントガードの鈴木達也。堅守速攻の起点であり、この日も5アシストでターンオーバーは記録せず。プレータイムをシェアする方針のチームにあって、替えの利かない唯一の存在となっている。
川村とウォッシュバーンの個人技を止められない場面が続くも、それ以上のペースで得点を重ねた三遠が54-47と7点をリードして最終クォーターへ。
一進一退の攻防を繰り広げるも勝ちきれない横浜
第4クォーター、横浜が再び敷いてきたゾーンディフェンスにリズムを揺さぶられ、ウォッシュバーンが盛んに仕掛けるペイントエリアでの1対1を止められず、1点差まで詰め寄られる。しかしここでロビーが素早いトランジションから3点プレーとなるバスケットカウントを決め、流れを再び引き戻す。
このプレーをきっかけにディフェンスにアグレッシブさが戻った三遠は、シューターにプレッシャーをかけ続け得点を許さない。太田が鈴木達也との連携から加点、ロビーのフェイダウェイシュートなど、要所できっちり得点を挙げて突き放す。
追い詰められた横浜はシューターの川村にボールを託し一発逆転を狙うも、ターンオーバーを犯し追い上げのギアが入らず。三遠は時間をうまく使いながら終盤を無難に乗り切り、接戦を制した。
横浜はウォッシュバーンがゲームハイの22得点10リバウンドのダブルダブル。川村が17得点、パーマーが10得点12リバウンドと十分なスタッツを残すも、得点者の偏りが大きく、オフェンスのバランスの悪さが目立った。一方の三遠はロビーが21得点、ドジャー11得点、太田が10得点。それ以外にもセカンドユニットまでコンスタントに得点できている。
今日の試合は両チームとも3ポイントシュートやフリースローの成功率が上がらず最後まで苦しむ展開だった。その中で三遠の勝因を挙げるとすれば、セカンドユニットでもパフォーマンスを落とさない安定感であり、横浜の敗因を挙げるなら要所で不用意なファールを犯し、25本ものフリースローを献上したことだろう。
三遠はB1唯一となる無傷の5連勝。楽に勝った試合は一つもないが、接戦をモノにする精神面の粘り強さが光る。もっとも、スタンドに空席が目立ったのは寂しかった。この日の観客は1554人。旧bjリーグ時代と変わらぬ数字では物足りないと言わざるを得ない。
そして横浜は開幕から5連敗。経験豊富な選手を揃えながら、爆発力はあるが試合運びに難がある、という想定外のチームになってしまっている。明日で初勝利を目指す。
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