文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

エースのファジーカス、26得点に加え守備でも活躍

実に公式戦12年ぶりの戦いとなった川崎ブレイブサンダースとアルビレックス新潟BBとの一戦は、ホームの川崎が新潟を103-70で下した。

川崎は軽快なパスワークから長谷川技の3ポイントシュートで先制する。その後もボールがよく回り、ニック・ファジーカスがゴール付近で合わせ高確率で得点を重ねてリードを広げる。対する新潟はシュートタッチが良いクリント・チャップマンが3ポイントシュートやゴール付近のタフショットを次々と決めて反撃。第1クォーターだけで14得点を稼いだチャップマンの活躍で22-21と1点差に詰め寄った。

しかし、迎えた第2クォーター、新潟を待ち受けていたのは川崎が誇る高さとディフェンス力だった。ベンチから登場の谷口光貴、栗原貴宏が連続で3ポイントシュートを沈め層の厚さを見せつけると、前からプレッシャーをかけてスティールに成功、素早いトランジションでゴールを重ねていく。

執拗なディフェンスを前にボールが回らない新潟は、良いリズムでシュートが放てず、ボールはリングに弾かれてしまう。さらにはジュフ磨々道の高さとパワーを止められず、ファジーカスとのハイ&ローでリードを広げられる。磨々道にこのクォーターだけで10得点を許し、素早いパス回しから辻直人に3ポイントシュートを決められ点差は20点まで広がった。

第3クォーターに入ってもオンザコート1の状況で高さに苦戦する新潟。ダブルチームでファジーカスと磨々道へのプレッシャーを強めるが、冷静な対応でしのがれ、アウトナンバーになった谷口や辻の3ポイントシュートが決まり点差が離れていく。新潟は佐藤公威が鋭いドリブルでファールをもらいながらミドルショットを沈め、ダバンテ・ガードナーがパワープレーで得点するも個人技主体で散発の攻撃になってしまう。

チャップマンがゲームハイの30得点も勝利には至らず

ベンチメンバーでも攻守ともに質を落とすことなく、川崎のバスケットボールを遂行していく選手たち。B1初、記念すべき100点目はベンチから躍動した永吉佑也のミドルシュートとなった。

川崎はファジーカスが26得点11リバウンド、ライアン・スパングラーが10得点11リバウンドでそれぞれダブルダブルを記録。永吉、谷口、磨々道も2桁得点でバランスのとれたオフェンスを見せた。一方の新潟はチャップマンがゲームハイの30得点を記録するも及ばなかった。

新潟の24リバウンドに対し川崎は44リバウンドと高さで圧倒。またパスがいかに回っていたかを示す指標として、新潟の12アシストに対し、川崎は23アシストを記録した。

北卓也ヘッドコーチは「今日はゲームプランをしっかり選手が遂行してくれた。磨々道が起点となってノーマークの選手が良いシュートを決めてくれた」と勝因を語った。

新潟のヘッドコーチ庄司和広は「完敗です。準備してきたことがすべてうまくいかなかったです」と素直に相手を称えた。新潟キャプテンの佐藤も「個ではなく、チーム力の高さを肌で感じた。だからいいタイミングでパスが来るし、いいタイミングでシュートが打てる」と真摯に相手の強さを認めていた。

旧NBL王者が力を見せ付ける結果となった第1戦。明日の第2戦は新潟が修正して巻き返すか、それともエース復帰後3連勝の川崎がそのまま連勝街道を突き進むのか。明日も同じとどろきアリーナで、15時ティップオフ。