マーキーフ・モリスのラフプレーに反応「咄嗟の行動に出てしまった」
今シーズンのナゲッツはなかなかリズムに乗れない。ジャマール・マレーは膝のケガで長期離脱中で、シーズン終盤に間に合うかどうか。彼が抜けた分の得点力不足を埋めるべきタレントの筆頭であるマイケル・ポーターJr.は古傷の腰の痛みを再発させて欠場している。5勝4敗といまいち波に乗れない中で迎えた11月8日のヒート戦で、今度はエースの二コラ・ヨキッチに事件が起きた。
試合終盤までナゲッツは今シーズンで一番のパフォーマンスを見せていた。エースのヨキッチは33分の出場でフィールドゴール14本中10本成功の25得点、さらには15リバウンド10アシストと今シーズン初めてのトリプル・ダブルを記録してもいた。
しかし、ナゲッツが111-94と勝利を確実なものとしていた第4クォーター残り2分半、バム・アデバヨのゴール下を止めてリバウンドから反撃に転じるヨキッチに、飛び込んできたマーキーフ・モリスが肘打ちを見舞う。後にこれはフレグラントファウル2と判定される悪質なものだったが、その直後にカッとなったヨキッチが、背中を向けていたモリスに背後からタックルを浴びせしまう。
すぐさま審判と両チームの選手がヨキッチを引き離し、マイケル・マローンがベンチへと連れ帰る。不意打ちを食らったモリスは、助け起こされてもしばらくは立ち上がることができなかった。
試合を通じてヨキッチはフィジカルなディフェンスの標的となっており、溜まりに溜まったフラストレーションがモリスのラフプレーで爆発してしまった形だ。だが、それは言い訳にはならないし、ナゲッツが勝利したものの試合は非常に後味の悪いものとなった。試合終了のブザーが鳴っても両チームの選手が健闘を称え合うことはなく、ヒートのジミー・バトラーはチームメートをすぐにロッカールームへと下げさせた。
ヒートの指揮官、エリック・スポールストラは「モリスはロッカールームで歩き回っているから大丈夫だとは思う。だが、絶対に危険で許されないものだ」とヨキッチの行為を非難した。
ヨキッチは試合後の会見に現れた時には頭を冷やしており、「彼には申し訳ないと思っている。映像を見たけど、愚かな行為だった。ああいう反応をすべきではなかった。それでも、あれは汚いファウルだったし、僕は自分を守らなければいけないと咄嗟の行動に出てしまった」と語る。
マイケル・ポーターJr.は大学時代から抱える腰の爆弾を再発させた可能性がある。マローンは「今分かっているのは今日の試合を欠場することだけ。いつまでかかるか分からない」と語っており、完全に治すまで長期の離脱になる可能性がある。そしてヨキッチには出場停止処分が科されるだろう。若きタレントを揃えて可能性に満ちたチームは、シーズン序盤から思わぬ荒波に晒されている。