リッキー・ルビオ

新天地キャブズに「自分でも上手くフィットできていると思う」

東京オリンピックの期間中にキャバリアーズへの移籍が決まったリッキー・ルビオは、最初はベテランの自分が若手を中心にチームを立て直そうとしているキャブズでプレーすることにモチベーションを見いだせなかった。しかし、チームに合流するまでに気持ちを切り替えると、今はNBA10年目のシーズンを充実したものにしようと全力を注いでいる。

現地11月7日、ルビオはマディソン・スクエア・ガーデンでのニックス戦で、ベンチから9本中8本の3ポイントシュートを成功させ、キャリアベストの37得点を記録。キャブズは126-109でニックスを下し、今シーズン7勝目(4敗)を挙げた。

ここ数シーズンはリーグの最下位グループに低迷する『ドアマットチーム』だったキャブズは、戦力に大きな上積みがないために今シーズンも低迷が続くと見られていたが、その予想に反して大健闘を続けている。その背景には、リーグ有数のポイントガードであるルビオの影響力がある。

ニックス戦後の会見でルビオは「ウチにはベンチからスコアリングできる選手、どんな状況にも対応できる経験のある選手が必要だった。自分でも上手くフィットできていると思うけど、これはチーム全員でつかんだ勝利だ」と語った。

ルビオの役割は、若手の模範としてチームを支えること。彼は、ニックス戦で26得点9リバウンド5アシストを記録したエバン・モーブリーについて「クレージーなシュートを打っていたわけでもないし、状況に応じて最善のプレーを選択できていた。まだ20歳で、しかもガーデンで初めての試合でこれだけのプレーができるのはすごいことだ」と称えた。

ルビオは、若手の成長を実感しつつ、「まだ11試合が終わっただけ」と気を緩めていない。「この程度で満足していてはダメだ。NBAでは、毎試合が試練でありテストでもある。この気持ちを持って毎試合に臨まないといけない。ウチのロスターに登録されている全員が、同じ気持ちで戦っている」

あくまでチームの勝利を強調するルビオだが、自分自身の好調も自覚している。「ガーデンでの試合は大好きなんだ」と笑顔を見せたルビオは「今日がNBAでの10年でベストだ。チームも勝てたし、成功を求めるチームメートを手助けできて良かった」と語る。

ルビオが言うように、まだレギュラーシーズンは序盤も序盤だが、キャブズは東カンファレンス6位につけている。プレーヤーとして円熟味が増し、若い選手の力を引き出しながら要所でインパクトを与えられる司令塔がどこまでチームを押し上げられるか。ルビオに支えられることで若手の力が正しくコートに反映されるようになり、キャブズは俄然、魅力的なチームになりつつある。