オーナーが過去に人種差別や性差別行為を行っていたという記事が出る
現地11月4日にホームでロケッツと対戦したサンズは、デビン・ブッカーが第3クォーターだけで16得点を挙げる活躍でチームを引っ張り、123-111で勝利して3連勝を記録した。
しかし、この日のメディアの注目はコート外のスキャンダルに集まった。先日、球団筆頭オーナーのロバート・サーバーが人種差別や性差別行為を行っていたというスクープが出た。球団はこの内容を否定していたのだが、NBAが調査を開始することになり、事態は深刻なものになりつつある。『ESPN』がこの日に出した記事によれば、すでに退職したスタッフ、現在の球団職員も含めて70名以上に聞き取り調査をしており、サーバーが人種にかかわる不適切な言動、また女性蔑視と受け取れる問題発言があったとされる。
NBAはあらゆる差別を許さない。報道された内容が事実であれば、サーバーは厳重な処分を科されることになる。2014年には当時クリッパーズのオーナーだったドナルド・スターリングが人種差別発言をしたとして、NBAから永久追放処分を受けた。今回もサーバーには同等の処分が下される可能性がある。
ロケッツ戦後の会見に出席したブッカーとクリス・ポールは、NBAの調査結果が出るまでは静観したいとコメント。2014年の件が発覚した際にクリッパーズに所属していたポールは「あの時とは状況が違うから何とも言えない。NBAが調査することだし、僕たちは自分たちの仕事に集中するだけ」と語った。
「記事が報じられた直後の試合に集中するのは難しかったのでは?」という質問に、ポールはこう答えている。「そこまで大変ではなかった。大半の選手にとって、コートは幼い頃から幸せを感じられる場所だからね。コートに立てば試合に集中するだけ。調査してもらうわけだし、僕たちは仕事を続けるだけだよ」
チームは人格者として知られるヘッドコーチのモンティ・ウィリアムズ、リーダーのポールを中心にまとまっているとはいえ、こうしたコート外の問題が精神面に与える影響は少なくない。
昨シーズンのNBAファイナルに進出したサンズは長い低迷期を脱し、今シーズンも西カンファレンスの上位を狙えるチームに成長した。それだけに、球団も選手もファンも、今回の問題が右肩上がりのチームの足を引っ張るのだけはなんとしても回避したいと考えているはずだ。
NBAがどういう判断を下すのか、調査結果の発表が待たれる。