佐藤涼成と轟琉維のガードコンビが活躍、両チームともウインターカップへ
ウインターカップの福岡県予選決勝は、今年も福岡第一と福岡大学附属大濠の激突となった。
先手を取ったのは福岡第一。2年生エースの轟琉維がド派手なダブルクラッチを沈めたかと思えば、再び強引に仕掛けると見せかけ、3人を引き付けての鷹野祐磨へのアシスト、そしてヌンビ・マトゥンガ・マイクのスクリーンを使って自ら3ポイントシュートを決め、続いては小田健太の3ポイントシュートのアシストと見事な活躍でチームを勢いに乗せた。
大濠は轟へのプレッシャーを強め、ディフェンスから立て直して悪い流れを止めるが、留学生プレーヤーの高さにシュート精度を狂わされて得点が伸びず、両チームともにディフェンスがオフェンスを上回る膠着状態に。10-18とビハインドを背負って迎えた第2クォーターも、この膠着が続く。副島のフリースローで得点を奪うも、直後に星賀舞也の速攻を許すなど噛み合わない。
それでもディフェンスで踏ん張って10点前後の点差を保ち、前半残り2分を切ってから岩下准平の連続3ポイントシュート成功、さらには湧川がドライブで切り込み、ブロックに来たフランシスのコンタクトを受けながらシュートを決める3点プレーで28-30と詰め寄って前半を終えた。
後半も得点が伸びない中、佐藤涼成と轟のガードコンビが速い展開を繰り出す福岡第一が突き放し、大濠が本山遼樹や泉登翔などベンチメンバーを含めた総合力で押し返す展開が続く。大きく得点が動かない状況で3ポイントシュート、バスケット・カウントの3点プレーが試合を動かしそうになるのだが、両チームともに連続で決めるには至らず大きな差には繋がらない。本山の速攻が潰されたところを走り込んでいた泉がフォロー、バスケット・カウントで大濠が1点差とすれば、福岡第一は城戸賢心の3ポイントシュートで突き放す。そのまま試合は終盤へと入っていった。
残り2分20秒、轟がミドルジャンパーを沈めて福岡第一が62-52とリードを広げる。タイムアウト明けの大濠はチームが作ったオープンのチャンスを岩下が逃さず3ポイントシュートを決めるが、時間が足りない。ハンドラーの轟は大濠のプレッシャーに動じることなく、ミスなく時計を進めていった。こうなると焦る大濠にはターンオーバーも出る。
残り1分、ドライブで切り込んだ佐藤からマイクへの合わせが決まり、65-55に。川島のバスケット・カウントなど大濠は最後まで食い下がるが、最終スコア69-60でタイムアップ。意地と意地がぶつかり合う『福岡決選』は福岡第一が制した。両チームともに、年末のウインターカップには参加する。