ドレイモンド・グリーン

「誰もがジェームズから学んだことは間違いない」

NBAは今シーズンからファウルを誘うプレーに対する判定基準を変更した。ブルズのデマー・デローザンのように、このルール改正を苦にしない選手もいれば、トレイ・ヤングのようにフリースローの獲得数が昨シーズンと比べて半減するプレーヤーもいる。

ウォリアーズのドレイモンド・グリーンはこのルール改正を最も喜んでいる選手なのかもしれない。14得点11リバウンド8アシストを記録し、サンダーを103-82で下した試合後、グリーンは「今シーズンのバスケを本当に楽しく見ている」と語り、ルール改正について言及した。

「以前のようなひどいコールがなく試合を見ることができて、僕がどれほど満足しているかを言ってもいいかい? ズルをしたり、人をつかんでファウルをもらったり、ごまかしてフリースローを取ったりするから、僕は試合を見るのをやめていたんだ。これは素晴らしいことだし、そのことに触れないのはもったいないよ」

グリーンはウォリアーズオフェンスの潤滑油であるとともに、すべてのポジションを守れるディフェンダーとしてもチームにとって欠かせない存在だ。リーグトップクラスの守備力を誇るグリーンであっても、ファウルコールが頭をよぎり、フィジカルに接触できないことに頭を抱えていたという。それでも、ファウルの基準が変わったことで、多くの選手のプレースタイルが変わったとグリーンは言う。

「100%感じるよ。ファウルを誘うためにゴミのようなことをする選手がいなくなったんだ。これまでは誰が一番ファウルをもらえるかを競うような試合になっていた。そんなものは誰も見たくないし、やりたくもない。だからこそ、その違いを実感できるし、純粋なバスケットボールになっている」

また、グリーンはファウルをもらう技術を広めた選手の一人としてジェームズ・ハーデンの名前を挙げた。「ドライブでファウルを誘ったり、3ポイントラインでファウルを誘ったり、彼はその点で最高の選手の一人だ。彼が24本すべてのフリースローを決めた試合のことはよく覚えているよ。あんなに俊敏で、触った瞬間にフックされてファウルを取られるようなら、守るのは不可能だよ。多くの選手がこの技術を習得するようになった。誰もがジェームズから学んだことは間違いない」

グリーンが例に出した試合は、ハーデンがロケッツに在籍していた2年前のスパーズ戦のことを指す。試合はダブルオーバータイムの末に敗れたが、ハーデンは24本すべてのフリースローを成功させて、50得点を記録した。この日のハーデンはフィールドゴール38本中11本の成功(28.9%)と絶不調だったが、フリースローさえもらえれば、試合を接戦に持ち込めることを証明していた。

そのハーデンはペイサーズ戦で19本のフリースローを獲得したが、それまでの5試合での平均フリースロー獲得数は3.0本と、昨シーズンの7.3本から激減していた。

フリースローで得点を稼いできた選手にとっては、ルールのアジャストに時間がかかるだろう。だが、グリーンのようにディフェンスを得意とする選手にとっては、そのスキルを存分に発揮できるまたとないシーズンとなる。