アーリーカップで先発に「フレッシュな争いができます」
アーリーカップ関東大会に挑んだサンロッカーズ渋谷は、川崎ブレイブサンダースを初戦で下すも、続くアルバルク東京戦で大敗を喫した。
ガードとしてゲームをコントロールできなかった山内盛久は、負けを正面から受け止めた。「A東京は疲れたら交代して、出た選手は思いっきりプレーするというメンタルで臨んでいました。一番大きな違いはフィジカルの部分です。自分たちはフィジカルもそうですし、プレー以外の部分でも強くプレーできませんでした。しっかり練習中からフィジカルに取り組まないと」
山内はアーリーカップ3試合すべてに先発出場。昨シーズンの山内は26試合に先発したが、シーズン後半はその座を伊藤駿に譲った。プレータイムを求めてSR渋谷の一員になり1年が経過したが、「調子が良い選手と悪い選手を入れ替える起用法なので、そこまでプレータイムにこだわることはないですね」と、その気持ちには変化が生まれている。
「誰が出ても戦力が落ちないというのがウチの強みだし、チーム内で競争することでチームレベルも上がります。今回たまたまアーリーカップで自分が先発起用されましたが、また来週、再来週の練習によって先発も変わると思いますし、フレッシュな争いができます」と続けた。
琉球ゴールデンキングスでは岸本隆一のバックアップが主な役割となっていたため、「ミスをしないようにすることを常に心がけてプレーしていた」という山内。だがSR渋谷では「自分がファーストオプションでもいいということを、常日頃、コーチ陣からも言われています。自分のプレーが出せる環境になったと思っているので、一つのプレーに責任を持ってもっとチームを引っ張っていけるようにしていきたいです」とオフェンス面でも期待されている。その結果、川崎戦と千葉戦の2試合で平均8得点4.5アシストのスタッツを残した。
無表情ディフェンスは「ガードは常に平常心」を体現
オフェンス面の意識の変化を語った山内だが、一番の強みは高いディフェンス力だ。ボールマンとの距離を詰め、常に相手にプレッシャーをかける山内のディフェンスは多くのガードを苦しめている。闘志を燃やし、感情を露わにしてディフェンスをするタイプもいるが、山内は基本的に無表情で相手をマークする。
それがなおさら相手にプレッシャーを与えるのだが、それを聞くと山内は、あえて表情を崩さずにプレーしていると明かした。「これは癖でもあるんですけど、沖縄の時に、良いプレーをしても悪いプレーをしてもガードは常に平常心で、常に同じ顔、同じ精神状態でいろと言われていたんです」
時には良いプレーをして感情を表に出したい時もあるという。そんな時は「心の中でガッツポーズとかしているんですけど(笑)」と、感情はあくまで自分の内側に留めている。
今後は日本代表のベンドラメ礼生がチームに戻り、伊藤を含めた3人でのチーム内競争が待ち受ける。「こう見えて負けず嫌いなので、やっぱりどっちにも負けたくないっていうのはあります。3人で切磋琢磨して日頃からバチバチやりたいです。やるからにはスタートでやりたいですし、その気持ちを持つことでチームに対して還元できるものが大きくなると思います。仲良しチームでバスケットをするために集まったのではなく、勝つために集まったと思っているので、常日頃意識しながらやっていきます」
チーム内競争が活性化すればするほど、チームは強くなる。山内は強い覚悟を持って、SR渋谷での2シーズン目を迎える。
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