大浦颯太

「個人で打破するというよりはチームとして何ができるか」

Bリーグ第3節、秋田ノーザンハピネッツは千葉ジェッツのホームに乗り込んだ。

コルトン・アイバーソンと伊藤駿が前節のサンロッカーズ渋谷戦で負傷し、2試合ともに欠場。さらにリリースでの発表はないが、川嶋勇人も2試合に欠場と、秋田は限られたメンバーでの戦いを強いられた。

初戦は後半に30-49と大きく失速し24点差の大敗を喫したが、第2戦では第3クォーターまでリードする展開に。最終クォーターに崩れはしたが、前年度王者を最後まで脅かした。秋田の前田顕蔵ヘッドコーチも「昨シーズンは1試合目に競って、2試合目にボコボコにされたんですけど、今日の選手たちの頑張りは非常に可能性を感じましたし、価値のあるゲームだったと思っています」と話し、劣勢が予想された中での選手のファイトを称えた。

秋田が30分間リードできたのは後手に回らず、攻め気を最後まで失わなかったからだ。そして、このアグレッシブなチームの中心にいたのが、今シーズン初先発となった大浦颯太だった。大浦はボールをプッシュしトランジションバスケを牽引するとともに、自らアタックしてパスをさばくなど、様々な場面で顔を出した。

大浦は10得点5アシスト5リバウンド2スティールという数字を残したが、「前半から我慢しながら自分たちの良さが出せていて、30分間はしっかり戦えてはいました。でも最後の10分間は自分たちがやりたいバスケットができず、納得のいくディフェンスができませんでした」と反省を口にした。

前述の通り、伊藤が欠場したことで、大浦に先発の出番が巡ってきた。「伊藤選手とは違ったポイントガードとして、試合を通して変化をつける」ことを意識しつつ、個人よりもチームとして戦うことに重きを置いていたと大浦は言う。「ケガ人が多い中でやらないといけない仕事も、いつもよりは増えると思っていました。自分が今できることをやるのがベストだと思うし、チームとして戦わないといけないので、個人で打破するというよりはチームとして何ができるかを考えてやっています」

「ベンチテクニカル取られましたが、僕が吹かれたと思いました」と、前田ヘッドコーチが苦笑いを浮かべて語ったように、秋田は判定に対してのアジャストに苦労した。試合終了後、そして判定が覆らないことを分かっているからこそ、前田ヘッドコーチは落ち着いて語ったが、試合中はもどかしい思いをしていた。不可解な判定が続くことで、集中力が切れてしまう選手は多い。

大浦も「笛に関しては納得がいかない部分が多かった」と語ったが、「そこと戦い続けても違う方向に向かっていくだけなので、自分たちがやるべきことをやろうと我慢しながら戦いました」と、踏み留まることができた理由を明かした。

大浦颯太

前田ヘッドコーチも期待「突き抜けてほしいです」

秋田は伝統的なハードなディフェンスを踏襲しつつ、課題だった3ポイントシュート成功率を補うためにシューターも補強した。そして、昨シーズンよりもさらに意識しているのがトランジションオフェンスだ。前田ヘッドコーチは「今シーズンは誰が出てきてもペースが落ちないロスターだと思っている。『本当に走る』ことにシーズンを通してチャレンジしたい」と、今シーズンのスタイルについて言及したが、大浦はこのトランジションオフェンスで重要な役割を担う。

前田ヘッドコーチは「もともとトランジションの上手い選手だったので、彼にとってはやりやすいスタイルだと思っています」と言い、彼への期待を語った。「サイズがあって、ピック&ロールからのアシストにクリエイト、そして自分からシュートが打てる。オフェンスに関してはある程度すべてを備えている選手だと思うので、突き抜けてほしいです」

もちろん大浦も自身への期待を理解している。「チームが勝つためにも、成長していく上でも、僕がやらないといけないと思います。日本一を獲るために自分が何ができるか、レベルアップしないといけないことは何かを考えてやっていきたい」

大浦は『突き抜ける自信』についての明言を避けたが、ここまで平均8.2得点、3.5アシスト、1,2スティールを記録し、さらに3ポイントシュート成功率は47.8%と主要スタッツのすべてでキャリアハイを更新中だ。これだけの数字を残しているのであれば、多少ビッグマウスになってもいいものだが、それは6試合しか消化していないからこそ発言も慎重になるのだろう。

念願のチャンピオンシップ進出を達成するため、そしてケガ人が続出する現在のチームを救うためにも、大浦には『突き抜けた』パフォーマンスが求められる。