レブロン・ジェームズ

「優勝の喜びは数時間後には消えてなくなっていく」

レイカーズのレブロン・ジェームズは、キャリア19年目のシーズンを迎えようとしている。

ウォリアーズとの開幕戦の前日会見で、レブロンは終始リラックスしていた。今年の12月で37歳になるとは思えないコンディションを維持しているレブロンだが、昨シーズンは足首のケガに悩まされ、シーズン終盤は思うようなプレーができなかった。オフの間もトレーニングを続けていたものの、プロになって初めて2カ月もバスケットボールができなかったと明かしている。

「ケガの回復には少し時間がかかった。夏を迎えて最初の2カ月はバスケットボールができなかった。それはとても稀なことだったけど、足首が言うことを聞いてくれなかった。それ以外のトレーニングは続けていて、足首も良くなっていったよ。鋭い痛みも感じなくなって、関節の柔軟性も戻った」

今シーズンから背番号を6に変えたレブロンは、アンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルックと新たな『ビッグ3』を形成し、優勝に挑む。キャリア19年目となった今もモチベーションを保てていることについて、彼は「優勝する機会を手にできて興奮している。そのためにやっているんだ」と答えた。そして、優勝経験者にしか分からない感覚をこう表現した。

「優勝した瞬間は最高だよ。優勝するために一年中努力して、実際に達成できると最高の気分になる。でも、その喜びは数時間後には消えてなくなって、どうすればこのフィーリングをまた味わえるか考えるようになるんだ。実際に、このフィーリングを得ようとまた努力する。これが僕のモチベーションになっている」

「例えるなら世界最高の遊園地、シダーポイント(オハイオ州にあるテーマパーク)で、最高のアトラクションに乗るようなもの。そのアトラクションが一番盛り上がるところにたどり着くには、かなりの時間がかかる。たどり着いて『最高!』と思ったら、次の瞬間にはもう下ってしまっている。また乗りたいと思っても数時間はかかるから、他のアトラクションに行こうという気持ちになる。優勝は、そういう感覚なんだ」

キャバリアーズでNBAキャリアをスタートさせ、ヒートでは盟友のドウェイン・ウェイドとクリス・ボッシュとキャリア初優勝を成し遂げ、キャブズに復帰してからはカイリー・アービングとケビン・ラブとのトリオで地元に優勝をもたらした。名門レイカーズにでも優勝を達成したレブロンは「今は落ち着いている」と言う。

「今年で37歳になるし、自分という人間が何者なのか理解できていて、自分にやれることも分かっている。今は落ち着いて、自分や周りにいる選手を成功に導く方法を考えられている。いろいろな物事に気分が高揚しすぎることも、落ち込むこともなくなった」

会見の終盤、レブロンは「ウェイドとプレーしていた頃はワインもテキーラも飲んでいなかったんだ。不思議だよね」と語ると、「今日はどうもありがとう。じゃぁ、また!」と席を立った。

真摯にバスケットボールに向き合いながら、時折ジョークを挟む振る舞いは、いつもと変わらないレブロンだった。今シーズンはどういうドラマが生まれるのか、明日、彼の19年目のシーズンが開幕する。

https://youtu.be/lK3Vbrkqf6U