ジェイレン・サッグス&フランツ・ワグナー、ルーキーコンビに期待
トレードデッドラインでアーロン・ゴードン、エバン・フォーニエ、ニコラ・ブーチェビッチを放出したマジックは、本格的な再建のシーズンに入ります。ヘッドコーチも新たにジャマール・モズリーを迎え、ゼロベースのチーム作りになるため、個々の成長を促しながら、着実な成長を目指して取り組んでいくシーズンとなります。
ドラフトでは1巡目5位でジェイレン・サッグス、同8位でフランツ・ワグナーを指名しており、ともにプレーメーカータイプだけにチームの新たな中核を担うことになりますが、実はこの2人だけでなく多くの若手有望株を集めており、2017年以降のドラフト1巡目で指名された選手が10人もいます。再建1年目といっても楽しみな選手が多いチームです。
通常、チームの新たな中心となる若手を集める場合は、オフェンスの中心になる選手を求めますが、マジックが集めた若手はディフェンスで働ける選手が多いのが特徴になっており、昨シーズン19試合でスターターになったチュマ・オキキのように、派手さはなくてもハードワークを欠かさず、チームに貢献できるタイプが数多く所属しています。得点はリーグ最少になる可能性が高いですが、ディフェンスで失点を抑えることで健闘することが期待できます。
ウイングとセンターには、どこでも守れるタイプが揃っており、サッグスのようにリバウンドの強いガードもいるため、ディフェンスシステムを柔軟に構築することができます。リムプロテクト役にベテランのロビン・ロペス、エースキラー役にギャリー・ハリスを獲得しており、足りない要素はベテランで補うロスター構成になっています。
オフェンスはどんな形になるのか未知数ですが、サッグスだけでなくマーケル・フルツやコール・アンソニーもいるポイントガードは、誰がチームオフェンスをリードするかの競争が起きそうです。インサイドにも起点になれるウェンデル・カーターJr.がいて、各選手がどんな相乗効果を生み出すのか、不安定ですが、不安定だからこそ予想の付かない爆発的な成長が楽しみでもあります。
これまでのマジックはアシストが少ないチームでしたが、各ポジションに有望株がいるだけにパスワークを使ってプレーシェアしていくことが好ましいでしょう。
誰が中心選手になるのかも分からない状況で、チーム内競争は極めて激しいものになるはずです。ここでエースの座を勝ち取った選手にはMIPの期待も膨らみます。特にケガからの復帰を目指す5年目のジョナサン・アイザックは大黒柱へと成長してほしい逸材です。2019-20シーズンに1.6スティール、2.3ブロックとリーグトップクラスのディフェンダーへと成長しましたが、前十字靭帯断裂や半月板の損傷と大ケガで長期離脱を強いられました。211cmのサイズがありながらウイングとしてプレーするスピードに、ブロックすることが難しい高い打点のジャンプシュートを持つだけに、復活の際にはオフェンス面でも大きな役割を担いたいところです。