平面でハードに守るディフェンス、ヘイワードの負担軽減がカギ
ジェームス・ボーレゴがヘッドコーチになってからのホーネッツは、戦力不足ながらも魅力的なバスケットを展開し、熱気に溢れたシャーロットのファンを魅了してきました。ただ、勝てるチームになるには時間がかかっており、昨シーズンはプレーイン・トーナメントまで進む成長を見せていますが、ホークスやニックスの躍進に比べると『一歩ずつしか階段を上れていない』とも言えます。
ドラフトで高い身体能力を誇るジェームズ・ブックナイトとカイ・ジョーンズを1巡目で指名し、昨シーズンの新人王であるラメロ・ボールとともにガードとセンターに将来の軸となる選手が揃いました。またマイルズ・ブリッジスとPJ・ワシントンがいるウイングでは、昨シーズン後半にブレイクしたジェイレン・マクダニエルズがポジション争いに加わっており、23歳以下の若手有望株が揃っています。
しかし、今はまだ未完成な選手が多く、即座に結果に繋がる可能性は低いと言わざるを得ません。次の世代を育てつつも、ゴードン・ヘイワードとテリー・ロジアーが中心となる形は今シーズンも変わらないでしょう。
昨シーズンのホーネッツはヘイワードが出場した試合は24勝20敗と勝ち越していた一方で、彼が欠場すると9勝19敗と大きな差が出ていました。安定したシュート力に確実な判断力、そして柔軟なプレースタイルは若いホーネッツにとって重要であり、誰もヘイワードの代わりを務めることはできません。だからこそ平均34.0分のプレータイムとなりましたが、ケガの多いヘイワードには少し長すぎます。ケリー・ウーブレイJr.の加入もあり、ヘイワードの負担を抑えてケガのないシーズンにすることが、ホーネッツにとっての最重要課題です。
極端なスモールラインナップも使って機動力を重視するホーネッツの戦い方は、多彩なオフェンスで打ち勝つスタイルですが、そのキーになるのは平面でハードに守るディフェンスです。常にアグレッシブにプレッシャーをかけていくため、スティールから速攻に持っていくのが持ち味になってきました。明らかにサイズで劣るため高さでは苦労しますが、そこを耐えしのげるかが重要です。
平均7本以上のリバウンドを記録した選手は誰もいない一方で、スターター4人が5本以上を記録したように、全員で高さ不足をカバーしていますが、全員がこれを維持し、さらにレベルアップしていく必要があります。
特定のスターに頼るのではなく、7人が2桁得点を記録するバランスアタックと、全員がハードワークを欠かさないホーネッツのスタイルは、ファンを熱狂させるエネルギーに満ち溢れています。だからこそ、そろそろ勝利という結果も残して欲しいところ。大型補強ではなく若手有望株を増やしてチーム作りは着実に進んでいるものの、勝てないチームはいずれ崩壊してしまうだけに、4年目を迎えたボーレゴには自身の正しさを結果で証明してほしいシーズンになります。