新たな境地「ケガをしたことに感謝するようになった」
昨シーズンのジャズはリーグ最高勝率となる52勝20敗でプレーオフに進出した。しかし、ハムストリングを痛めたマイク・コンリー欠場の影響もあり、カンファレンスセミファイナルでクリッパーズに敗れた。
エースのドノバン・ミッチェルは足首の捻挫でレギュラーシーズン最後の1カ月を欠場し、プレーオフ第1戦も試合開始直前にチームスタッフからストップがかかって出場できなかった。それでも、第2戦から出場し続けたミッチェルは、プレーオフの10試合で平均32.3得点、3ポイントシュート成功率43.5%とエースの存在感を見せつけた。
優勝候補として期待されながらも、早々にシーズンが終了したのはミッチェルにとって苦い記憶だろう。それでも、ケガに苦しみながら高いパフォーマンスができたことで、ミッチェルは新たな境地に達したと『The Athletic』のインタビューで答えた。
「ケガをしたことに感謝するようになった。ケガをしたせいでプレーオフの間はジャンプすることができず、地面でプレーを決断しなければならなかった。ゆっくりした動きの中でね。でも、そのおかげで『別のレベルでプレーできる、身体能力に頼らなくてもいける』という風に思えたんだ」
ダンクコンテストで優勝経験があるように、ミッチェルはジャンプ力、俊敏性に長けた選手で、その身体能力を生かしたプレーは一番の持ち味だ。だが、ミッチェルは羽を失っても飛べることを証明した。現在は「ジャンプと身体能力を取り戻し、準備はできている」と話し、万全の状態で開幕を迎えられるという。
そして、「言うのは簡単」と前置きしながらも、ケガがなければ昨シーズンは優勝の可能性があったと振り返った。「昨シーズンは足首のことなど、いろいろな障害があった。フェニックス(サンズ)やミルウォーキー(バックス)、クリッパーズを悪く言うつもりはない。でも、僕たちが健康だったら、ファイナルに行って優勝していたと思う」
実際にリーグ最高勝率でレギュラーシーズンを終え、優勝候補として見られていただけに、ミッチェルの言葉も理解できる。ジャズはコンリーと3年6800万ドルの再契約を結び、ルディ・ゲイ、ハッサン・ホワイトサイドとも契約して、ベンチメンバーに厚みを持たせたが、他の強豪チームも戦力アップに成功している。優勝は決して簡単ではないが、ミッチェルを擁するジャズが優勝候補の一角であることに変わりはない。