写真=Getty Images

21年のキャリアにピリオド、レジェンドがまた一人姿を消す

9月23日、「KG」ことティンバーウルブズのケビン・ガーネットが現役引退を表明した。

ウルブズオーナーのグレン・テイラーは、「若くしてリーグに飛び込んだKGが技術を高め、NBA屈指の選手になる姿を見られたことは喜びだった」と語り、NBAトッププレーヤーとして21年間走り続けたガーネットを称えた。

高校卒業後の1995年、ドラフト全体5位でウルブズから指名されたガーネットは、1年目から非凡な才能を発揮。着実に成長を重ね、2003-04シーズンにはシーズンMVPを受賞し、真のトッププレーヤーとなった。ウルブズでの優勝を目指し2007年まで在籍したが、チームの成績低迷に伴い、熟慮の末、優勝という悲願を達成させるためトレードを申し出て、12年チームに忠誠を誓った彼の希望をウルブズも了承した。

2007年のオフ、ガーネット一人に対し5選手と将来的なドラフト指名権2枠という破格の交換条件でセルティックスへのトレードが成立。ポール・ピアース、レイ・アレンとともにビッグ3を結成し、2008年にキャリア初優勝を飾った。

2013年にネッツにトレードされたものの、2015年、契約に含まれていたトレード拒否条項を破棄してまでウルブズ復帰を決断。ウルブズにはトータル13年在籍し、出場試合数(970)、出場分数(3万6189)、通算得点(1万9201)、通算リバウンド(1万718)、通算ブロック(1590)、通算アシスト(4216)、通算スティール(1315)、ダブルダブル達成数(607)、トリプルダブル達成数(16)でチーム歴代1位の成績を残した。

高校卒業後即ドラフトにエントリーし、成功を収めた結果、ガーネットと同様に大学に進学せずNBA挑戦をする選手が急増。コービー・ブライアント、アマーレ・スタッダマイアー、レブロン・ジェームズ、ドワイト・ハワードという成功例も存在するが、大半は芽が出ることはなかった。これを問題視したNBAは、2005年のドラフトからエントリーの年齢制限を18歳から19歳に引き上げた。

ガーネットは、その高い技術と万能性で会場を沸かし、会場に多くのファンを呼び集められることから、『ビッグチケット』と呼ばれた。勝利に対し一切妥協せず、試合中でも必要ならコート内でチームメートを叱咤する姿から闘将というイメージが浸透したが、ただの一度もチーム内で絶対的な存在になることを求めなかった。

ブライアント、ティム・ダンカンに続き、1990年代後半からNBA黄金期を支え続けたスーパースターが、また一人コートを去る。