ベン・シモンズ

プレーオフでシュートが絶不調、戦犯扱いされて士気を下げる

『The Inquirer』は、セブンティシクサーズ経営陣と面談を行ったベン・シモンズが、チームに残りたくないとの意思を伝えたと報じた。球団社長にGM、ヘッドコーチのドック・リバースが顔を揃え、来シーズンも戦力と見なしているとシモンズに伝えたが、彼の回答は「トレーニングキャンプに参加するつもりはない」だった。

昨シーズンのプレーオフ、ホークスとのカンファレンスセミファイナルでシュートが絶不調に陥り、相手のハック戦術の餌食となったことでシモンズは戦犯扱いされた。地元ファンからブーイングを浴び、指揮官リバースからも、チームをともに支えてきたジョエル・エンビードからも手厳しい言葉で批判された。

シクサーズはもともとシモンズのトレードをいくつかのチームと交渉したようだが、あくまでシモンズの評価はオールスター選手のままで、オールスタークラスの選手と複数の1巡目指名権と高い要求を設定していたようだ。かくしてトレードは決まらず、ほとんどのチームの体制が固まりつつある。その状況で再スタートを切るための面談だったが、シモンズはトレードを要求した。シクサーズで正当な評価を受けられないと感じ、エンビードとの溝が深まったことが決定打となった。

シモンズはもともとシュート力のある選手ではないが、ゲームメーク、力強いドライブからのアシスト、NBAでも屈指のディフェンスと、長所に目を向ければ彼は今もなおオールスター選手だ。彼の獲得に興味を持つチームは複数あるだろう。しかし、シクサーズが要求のレベルを大幅に引き下げない限り、このトレードが成立するとは思えない。このままシモンズを残すのはシクサーズにとって得策ではなく、足元を見られる中で交渉をまとめなければならない。こう事態になる前に手を打っておくべきだった。エンビードと並び立つタレントを失おうとしているシクサーズは、窮地に立たされている。