相手のポストプレーを潰すディフェンスで奮闘
昨日、バスケットボール女子日本代表はアジア競技大会の準決勝で中国に敗れ、目標だった金メダル獲得の可能性は潰えた。予選グループでは73-105と大敗した相手に今回は74-86。負けたことに変わりはないが、前回に比べれば大きく健闘したと言える。
薮内夏美ヘッドコーチは「選手が自分の役割を分かってやってくれている。ボールをシェアして、全員が得点して走っていくことがテーマで、そのあたりは見せられた」と収穫を語った。
また見逃せないのが、前回の対戦に比べ得点は変わらないが失点を大きく減らしていること。「ディフェンスは今までとは真逆のことをして、おそらくAチームではやってこなかったことをやろうと。短い時間の中で選手たちは対応してくれて、ディフェンスが機能した」と指揮官は語る。
具体的にはポストのビッグマンに対する守り方で、それは今大会でセンターの先発を務める梅沢カディシャ樹奈の働きによるところが大きい。得点はゼロ、リバウンドも4とスタッツでは物足りないが、梅沢が相手のセンターを封じたことで中国の最も有効な攻め手を消すことができた。
その梅沢は「ポストのディフェンスは前回よりボールが入っていなくて、守れていたと思う。まだルーズボールとかシュートが入らないところが多く、そこがあともうちょっと」と収穫と課題を語る。
吉田の激励「アジアのセンターを肌で感じてこい」
日本の女子選手として梅沢の188cmのサイズは強みだが、それでも国際大会を戦う上では、日本の走るバスケットに順応できるセンターになるつもりだ。2016年に桜花学園で馬瓜ステファニーとともに高校三冠を達成。卒業後は『女王』JX-ENEOSサンフラワーズに加入し、大﨑佑圭の後継者として英才教育を受けている。またJX-ENEOSのキャプテン吉田亜沙美からは「アジアのセンターを肌で感じてこい」との激励を受けたそうだ。
今大会、梅沢はメインのセンターとしてプレーしており、得られる経験は大きい。「国内リーグにはこんなに大きい相手がいないので勉強になります。大きい相手でも足元に入って守ればファンブルするし、ミスにもつながる。そこは勉強になりました」
若い日本代表にとっては大きな刺激と貴重な経験になっている今大会。ただ最終戦に勝ち、『メダルを持ち帰る』という結果を出すことが求められる。薮内ヘッドコーチは「最後まで自分たちのバスケットをやりきることが大事。多くの日本の方の応援もあるので、皆さんと一緒に喜びを分かち合いたい」と語る。
3位決定戦の相手はチャイニーズ・タイペイ。この試合でもチームとして成長し、銅メダルを手に帰国してもらいたい。