デイミアン・リラード

指揮官ポポビッチは「失望はしている。だがサプライズではない」

2004年のアテネ大会から続いていたチームUSAの連勝記録は25でストップ。東京オリンピックの初戦でアメリカはフランスに競り負けた。残り3分半の時点で7点リード。勝ち筋は十分すぎるほど見えていた。それでもチームは最後に失速。勝負どころでフリーの3ポイントシュートを連続で外したのが響き、76-83で敗れた。

リラードやケビン・デュラントといったNBAのトッププレーヤーの参加で2年前に比べて戦力が充実し、『世界最強チーム』となったはずのアメリカ代表が敗れた。しかし、ヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチは「負けても驚くことではない。失望はしている。だがサプライズではないよ。それではフランスを甘く見ていることになる。30点差で勝てるような相手じゃないんだ」と語る。

インサイドの層が薄く、オフェンスに比重を置きすぎたメンバー選考が批判の対象となるが、ポポビッチは「すべてのチームが自分たちのメンバーに合ったバスケをやらなければいけない。我々のチームではドレイモンド(グリーン)とバム(アデバヨ)を使うことでペースを上げ、このメンバーに最も適したバスケができる」と言う。

デイミアン・リラードは9本放った3ポイントシュートのうち3本しか決められず11得点と不発。勝利の可能性が潰えたのは残り17秒、リラードがコートに足を取られて転倒するターンオーバーのシーンだった。

リラードは言う。「僕たちチームUSAには勝利の歴史がある。特に初戦から負けることはあまりないはずだ。でも、僕たちはプロだし、国を代表してオリンピックに参加しているのだから、やるべきことをやらなきゃいけない。ここに来た目標を達成するにはそうするしかない。僕たちは正しいプレーをすることばかり考えすぎてしまったのかもしれない。自分たちが何者であるか、NBAのベストプレーヤーだということを忘れていた」

予選ラウンドはあと2試合あり、挽回の余地はまだ十分に残されている。いずれも中2日の休養を挟むため、コンディションを整え、攻守の課題を解決する時間はある。28日のイラン、31日のチェコ戦で違う姿を見せられるかどうか。チームUSAは『あるべき姿』を模索しながら前へと進んで行く。