写真=fiba.com

終盤に怒涛の反撃で2点差まで詰め寄るも、あと一歩及ばず

準々決勝でヨルダンに惜敗し、5位から8位の順位決定戦へと回った日本。17日にインドに勝ち、18日に中国と5位決定戦を戦った。

ヨルダン戦に続き、ゾーンディフェンスで変化を付けて相手にリズムをつかませない日本だが、平面では互角の戦いを演じるも高さの不利は否めず、リバウンドを奪われての失点が続く。攻撃でもペイント内に切り込むことができず、シュートの確率が上がらない。12-18で始まった第2ピリオド、さらに激しいプレッシャーをかけて相手のミスを誘うも、それを得点に結び付けられず、点差を縮められない。前半は調子が上がらず、27-34で折り返す。

後半に入ってもリバウンド勝負では不利。それでも篠山竜青のゲームメークを起点に、エースの比江島慎にボールを集めて反撃を開始する。それでも中国も勝負どころで譲らず、両者とも激しさを増す白熱の展開に。第4ピリオド残り5分半、47-61と点差がこの日最大となる14点に開いたところで日本がタイムアウト。最後の勝負に出る。

この直後、篠山が3ポイントシュートを決め、さらには激しいチェックで24秒バイオレーションを誘う。ここからアイラ・ブラウン、太田敦也、再び太田、篠山の3ポイントシュート、そして比江島と怒涛の12連続得点で59-61と2点差まで詰め寄る。だが、ここですでにチームファウルが5つに達していたことが足かせとなった。連続でフリースローを献上し、リードをまた広げられるとともに、反撃の勢いを削がれてしまった。結果、67-75で敗戦、6位で大会を終えた。

敗因は単純な高さではなく、アジャスト能力、試合運びの差

リバウンドは日本の27に対し中国は44と大きな差が付いた。特に、得点に直結するオフェンスリバウンドの数は8-17で、この差が勝敗を分けたと言っても過言ではない。だが、サイズの差は試合前から分かっていたこと。攻撃時に大きな中国に対して積極的にアタックできず、ディフェンスでも圧倒されるなど前半はやられっぱなしだったが、後半には果敢なドライブからの揺さぶりが相手を苦しめたし、リバウンド争いでもかなり戦えるようになっていた。

つまり、単純な高さの問題ではなく、試合に入るアプローチと、試合中の状況に応じたアジャストを向上させることで、中国が相手でももっと戦えるということ。今大会、敗れた試合はすべて、アジャストに必要以上の時間がかかった、あるいは相手にアジャストされたという展開だった。最終戦にしても、アジア王者の中国に対して善戦したことは一定の評価に値するが、伸びしろはまだある。この部分でもう一伸びしなければ、アジアの強豪に追い付くことはできない。

ポイントガードとしてチームを牽引した篠山は大会をこう振り返る。「個人的には良い部分も出せた時も悔しい試合もあり、本当にいろんな経験をさせてもらいました。日本代表として、海外の選手と試合をできる経験は大きかったです。イランに来て、慣れない環境でいかに対応し、コンディションもパフォーマンスでも良いものを出していかなければならないというのは、日本ではあまり経験できないことなので、それを知れたことも良かったです」

篠山だけでなく12人の選手がそれぞれ、10日間で8試合を戦う過密日程の中で貴重な経験を得られたはず。ここで得たことを所属チームに持ち帰り、Bリーグでの戦いの中で自分の力に変えていく必要がある。テヘランで得たものを、来年の新たな日本代表のベースアップにどれだけ繋げられるか。まずはBリーグでの戦いに注目したい。

『2016 FIBA ASIAチャレンジ』日本代表の結果
9月 9日  ● 73-80 韓国
9月11日  ○ 96-67 タイ
9月12日  ○ 67-65 イラク
9月13日  ● 57-68 イラン
9月14日  ○ 79-65 カタール
9月16日  ● 80-87 ヨルダン
9月17日  ○ 77-66 インド
9月18日  ● 67-75 中国