2015年のドラフト3位選手、心身ともに生まれ変わる
プロアスリートにとって、メンタルの状態はフィジカルと同様に、もしくはそれ以上にパフォーマンスに影響を与える。昨シーズン中、NBAではデマー・デローザンがうつ病との闘い、ケビン・ラブがパニック障害に苦しんだ過去を明かした。現役トップ選手の告白は周囲を驚かせたが、彼らは同じ苦しみを抱えるアスリートの助けになると考えたからこそ、事実を打ち明けた。
NBAで再起を図ろうとするジャリル・オカフォーも、精神的な苦しみを抱えていた。Instagramにオフ中の肉体改造の成果を表す画像を投稿したオカフォーは、トレーナーへの感謝を綴るとともに、これまでの苦悩を告白した。
「自分は身体も大きいし、職業柄、周りから凝り固まった見方をされてしまうことが多い。でも、僕だって他の人と同じような苦しみを抱えている。心の病に関する意識は、残りの人生をかけて自分が向き合わないといけないことだ。今もし苦しんでいる人がいたら、恐れず周りに話して、助けを求めるべきだ」
2015年のドラフト全体3位でセブンティシクサーズから指名されたオカフォーは、1年目に平均17.5得点、7.0リバウンドという上々のNBAデビューを果たしたものの、2年目には出場機会が激減し、昨シーズン開幕後ネッツにトレードされた。だが、再スタートを試みたネッツでも結果を残せず、このオフには中国リーグ移籍の噂も流れた。8月に入りペリカンズとの契約がまとまったが、アンソニー・デイビスとジュリアス・ランドルのバックアップという役割を受け入れ、再起のチャンスを手にした。
オカフォーは投稿の最後に、自分が抱えていた問題に気づくきっかけを与えてくれたラブに感謝するとともに、「シーズンオフもあと6週間。まだまだやることが多いよ!」と、新シーズンへの意気込みを綴った。
自分の弱さを打ち明けることで心の平穏を取り戻し、心身ともに生まれ変わったオカフォーが、勝負の4年目に挑む。