「僕は一番メンタル面を大事にしています」
『B.LEAGUE AWARD SHOW』で5シーズン連続ベスト5に選出されたシーホース三河の金丸晃輔が、今回はレギュラーシーズン最優秀選手賞を初めて受賞した。
今シーズンの金丸はレギュラーシーズン53試合出場で、日本人トップの1試合平均16.8得点をマーク。そして一流シューターの証を示す指標の一つと言われるフィールドゴール成功率50%、3ポイントシュート成功率40%、フリースロー成功率90%以上を同一シーズンで達成する『50-40-90』にあと一歩となるフィールドゴール成功率49.3%、3ポイントシュート成功率46.6%、フリースロー成功率90.7%と傑出したスタッツを残した。
受賞が発表された直後、『パパ、おめでとう』と書かれた子供からの絵を渡され、「涙が出そうです」と語った金丸は、その後で感極まった表情を見せた。「いつかは取りたいと思っていて、5年目、ようやく取れて本当にうれしい限りです。個人的な話になりますが、今年に入って実の弟が亡くなって、その弟に最高のプレゼントというか、弟からいただいたものかなと、そう思います」
また、アワード終了後のオンライン会見で、金丸は周囲への感謝を強調した。「正直、驚いていますし、本当にうれしく思います。チームメートのみんな、スタッフ、いろいろな方の支えがあって受賞できたと思うので、みんなに感謝したいです。このことに自信を持って来シーズンに繋げていきたいです」
今シーズンに限らず金丸は、トップリーグでの初年度となる2011-12シーズンのパナソニック時代からここまでの10シーズンにおいて、ほぼ毎年のように1試合平均15得点以上と『高値安定』の成績を残している。常に相手の厳しいマークを受けながら、それをモノともせずに得点を取り続けているのは、日々の努力と進化があるからこそ。中でも彼が重視するのは気持ちだ。
「毎年、メンタル的に強くなっていこうという意識はあります。気持ちの面で負けてしまうとシュートも入らない。良い数字も残せない。技術も大事ですけど、僕は一番メンタル面を大事にしています」
「オリンピックに挑戦できる機会は滅多にない」
コロナ禍で様々な制限があるシーズンでも、前述の『50-40-90』にあと一歩まで迫った今シーズンは、メンタル面に加え、次の点にもより気を配っていた。
「今シーズンに関してはトレーニング方法、食事面を昨シーズンよりも改善するようにしていました。特にシュートは下半身と体幹が大事だと思っているので、その2点を重点的に鍛えるようにしていました」
長いリーグ戦は終わったが、金丸が趣味の釣りを楽しむことができるのはまだ先だ。これからオリンピックを目指した新たな挑戦がスタートする。
「もうすぐ代表合宿が始まります。オリンピックに挑戦できる機会は滅多にないので、まずメンバーに入れるように合宿をしっかり頑張っていきたいです」
こう意気込みを語る金丸の卓越したシュート力が世界のバスケ強国にどこまで通用するのか、多くのファンが楽しみにしている。