「自分たちらしくないプレーから流れが悪くなっていった」
宇都宮ブレックスと千葉ジェッツによるBリーグチャンピオンシップ、ファイナルのGAME1は、制空権を支配した千葉が85-65で完勝した。
宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチが「敗因はセカンドチャンス」と語ったように、セカンドチャンスポイントで6-24もの差がついたことが、20点差という大差での敗戦に繋がった。
宇都宮のオフェンスリバウンドはチームの強みであり、オフェンスリバウンドでリーグ2位、総リバウンド数でもリーグ3位の数字を誇る。だが、それは千葉も同じで、オフェンスリバウンドでリーグ4位、総リバウンド数ではリーグ1位だ。そのため、拮抗することが予想されたが、ギャビン・エドワーズに6本、セバスチャン・サイズに5本ものオフェンスリバウンド許したことが誤算だった。
また、安齋ヘッドコーチが「ウチらしいバスケットができなかった」と語ったように、何でもないところでターンオーバーを犯すなど、宇都宮らしからぬミスも目立った。その結果、リズムが悪い状態で放つシュートはリングに弾かれ続け、フィールドゴール成功率は36.7%と低調だった。「基本的にオフェンスで焦ってしまって、自分たちらしくないプレーからどんどん流れが悪くなっていったゲームだった」と安齋ヘッドコーチは言う。
強みを生かせずに大差での敗戦となり、収穫と呼べるモノはないように思える。だが、この経験こそが明日以降に生きてくると安齋ヘッドコーチは前向きにとらえている。「チャンピオンシップに入ってから、なかなかビハインドの展開はなかった。そういう展開を今日経験できたので、逆に言えば明日はそういう展開になっても自分たちを見失わずに、ブレックスらしいオフェンスも展開できると思う。切り替えて明日の一戦に向けて準備したい」
己を責める遠藤「ディフェンスで負けてしまった」
攻守の要となるライアン・ロシターは両チーム最長となる31分22秒の間コートに立ち続けた。だが、序盤からシュートタッチに苦しみ、フィールドゴール14本中3本成功の8得点に留まり、違いを生みだすことができなかった。ロシターは相手の方が勝利への意識が高かったと振り返る。
「千葉さんの方がよりハードにプレーしていて、リードされてから盛り返すことができなかった。向こうの方がパフォーマンスを激しくやっていた」
ロシターが言うように、宇都宮は出だしで0-8と最悪のスタートとなった。前半に追いついたため、それが大きな敗因となることはなかったが、そこでエネルギーを使いすぎたことが後半に伸び悩んだ理由になったとも考えられる。遠藤祐亮は特にディフェンス面での貢献が求められるだけに、自身のパフォーマンスが不完全だったと己を責めた。
「最初に3ポイントシュートを2本やられて、マッチアップしていたのが自分でした。そこで相手のリズムを作ってしまったなと反省しています。そこからカムバックすることはできたけど、ディフェンス面で相手のエナジーを上回ることができず、自分たちらしくないゲームだったと思う。今日はディフェンスで負けてしまった」
ファイナルは2戦先勝方式のため、明日の第2戦を落とした瞬間にリーグ制覇の夢は断たれる。ロシターはこれまでに積み上げてきたモノに誇りを持ち、すべてを出し尽くすつもりだ。
「もう一度自分たちがどういうチームかを思い出さないといけない。自分たちは東地区で優勝しているし、全体でもベストな戦績でレギュラーシーズンを終えている。それを思い出し、自信を持って明日はプレーしたい」
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